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この三語で書け! 即興文ものスレ 第十六期

1 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 12:08
即興の魅力!
創造力と妄想を駆使して書きまくれ。

お約束
1:前の投稿者が決めた3つの語(句)を全て使って文章を書く。
2:小説・評論・雑文・通告・??系、ジャンルは自由。官能系はしらけるので自粛。
3:文章は5行以上15行以下を目安に。
4:最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること。
5:お題が複数でた場合は先の投稿を優先。前投稿にお題がないときはお題継続。
6:感想のいらない人は、本文もしくはメール欄にその旨を記入のこと。

前スレ:この三語で書け! 即興文ものスレ 第十五連
http://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1068961618/

前々スレ:この三語で書け! 即興文ものスレ 第十四段
ttp://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1064168742/


関連スレ
◆「この3語で書け! 即興文ものスレ」感想文集第7巻◆
ttp://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1066477280/
この三語で書け! 即興文スレ 良作選
ttp://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1033382540/
裏3語スレ より良き即興の為に 
ttp://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1035627627/
十人十色!3語で即興競作スレ
ttp://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1036437812/

2 :「表情」「痛み」「包」 :04/02/29 12:12
日曜の夕方、自室で寛いでいると、インターフォンの音がなった後、母の悲鳴が聞こえた。
その尋常ではない声を聞き、奥の部屋から慌てて駆けつけた僕が見たものは、
振り払うように小包を落とし、床に座り込み泣く母の姿だった。
僕は、床に落ちた箱を拾い、中身を見た。
中には、綿の隙間から見える小鳥の死骸と、……1枚の小さなメモ。
泣いている母を、そのままに慎重にメモを取り上げて、読んでみる。
『花ちゃんが二月の二十日に亡くなりました。こっちでは埋めてあげられる良い場所が無いから
おうちの桜の木の下に埋めてあげてください。           夏海』
……姉さんだ。こんな馬鹿な送り方をしないで事前に、電話でも寄越せばいいのに。
九日前の死体にしては、痛みが少ないのは、クール便で送ってきたからだろうか。
僕は、母さんに入っていたメモを渡し、箱を持って庭へと向った。

「桜」「浮」「青い」

3 :「桜」「浮」「青い」:04/02/29 13:06
 桜が咲く少し前、その通報があった。
 毎年の事だが、四月馬鹿(エイプリル・フール)には警察にも少しは冗談も通じるだろうと
思いこんだ、それこそ四月の馬鹿がひっきりなしに下らない通報を入れてくる。俺の知る限り
一番酷いのは、「郷ヒロミが駅前でゲリラライブをやった挙句、公衆の面前でヘアーを晒して
いる」というものだった。こんな調子だから、四月一日の通報はやや猜疑心を持って受け止め
ることにしていたのだが、今回はそれが裏目に出た。
 桜の花びらが散るのも進んで、あでやかさよりも黄ばんだ惨めったらしさが目立ち始める頃、
半腐乱した死体が隅田川に浮かんだ。所持していた免許証から、千代田区の会社員、松田勇次、
二十六歳と判明した。そしてその後の調べで、彼は四月一日、自宅のアパートから通報を入れ
ていたのが明らかになった。
――――半魚人に命を狙われている。
 誰も真面目に受け取らなかったのは言うまでもない。通報を受けたオペレーターの備考が通
報記録に添えられているが、彼曰く「迫真の演技だった」。
 馬鹿げた話だ。被害者はそんな通報をしても、誰も真面目に受け取りはしないと思い至らな
かったのだろうか? 青い服を着た変質者に狙われている、と言えば、我々だっておざなりに
しはしなかった筈だ。
 それとも、容疑者は被害者にとって、あくまで「青い服を着た変質者」ではなく「半魚人」
だったのだろうか。
 俺はゼリー状の物体を体じゅうにまとわりつかせた腐乱死体を見下ろし、苛立たしく思った。

「蝉」「風」「間抜け」

4 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 13:32
新スレ乙です。

 あちこちに転がっている、人間だったモノ。
風が運ぶは多量の腐臭。腐ってゆく、過程――。
季節は夏。強い日差しが地を熱す。生き物はそれを享受して、さらに強く生きる。
しかし、死体は腐る。さらに早く腐る。それは正に地獄絵図。
道行く旅人はそれに一瞥をくれ、「間抜けな野郎どもだ」と呟く。
人には生きる資格がある。しかし、ときに生殺与奪を握られ、ひたすらに嬲られることも、ある。
それもまた、「生きる」ということなのだ――。

 蝉が鳴いていた。ただただ、鳴いて――――。

「裁判」「真理」「おまけ」

5 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 13:33
良スレ紹介

http://sports3.2ch.net/test/read.cgi/sports/1077278598/l50

6 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 14:19
「裁判」「真理」「おまけ」
裁判だよ。裁判だよ。弁護士と検事が言い争ってるよ。
真理ってなに?どういう意味だよ。
あっ!なんだよー。さっきコンビにで買ったグリコのおまけ、だぶってるよ。

「性器」「アイロン」「ミノフスキー粒子」

7 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 14:23
性器にアイロン押しあてたらミノフスキー粒子が発生したよ。

次は「裁判」「真理」「おまけ」

8 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 14:32
医療裁判中に僕は心臓発作で死んだらしい。
そこでは被告の真理だか、なんだかよくわからないがいろいろやってたらしい。
僕は被告の友達だったわけだが。
判決はどうなったんだろう。死んだのに、気になる。自分の死よりも気になるね。
おまけ 僕は20歳でまだ死ぬような年じゃなかったんだよね。
なんでだろうね。理不尽だよね。


「パケット」「インク」「電柱」

9 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 16:31
嗚呼、私もこの歳になりますと恋の一つもするものです。
ですからここは一つ、現代の風潮に逆らい恋文でもしたためてみようかと思うのです。
この古風な精神が私の想う人へと伝わることを切に願ってやみません。
されども、いささか間の抜けた私のことですから、いざ机の前に座ると何をどう書いたらよいか、
微塵も思いつきません。しまいには、今日電柱にぶつかる犬を見ました。というわけのわからない
書き出しから文を始めだす始末。ようやくそれらしき言葉を探り当て、いざ薄く色の入った便箋に
恋慕の情を込めようと力を込めた途端、
嗚呼、なんと間の抜けたペンでありましょうか。
それまで滞りなく出し続けてきたインクを突如として出さなくなったではありませんか。
なんともやりきれない思いがこみ上げて来ましたが、書けなくなっては仕様が無い。
不満な気持ちを胸に抱えたまま自室を出、階段を降り、ペンを探しに居間へとたどり着きますと、
嗚呼、この子にしてこの親ありとでもいいましょうか、昼のワイドショーを見て
そこに映る若者の姿を我が子に重ね合わせたのでありましょうか、唐突に母上が、
あんたはパケット料金とかすごい金額になってないだろうね、などと私に問うてくるのです。
嗚呼、嗚呼、母上、その問いを向ける以前に、まず私に携帯を買い与えては下さらないでしょうか。

「不良品」「唐突」「心」


10 :岸和田:04/02/29 19:08
「不良品」「唐突」「心」
 僕は彼女のことが好きだ。もうどうしようもないほどに。
彼女を研究所でひと目見たときから気になってしょうがない。
いま僕は彼女にいろいろと管をつながれ、いくつか質問をされている。いわゆる「検査」である。
僕は彼女の質問をさえぎって、思い切って告白した。あなたが好きです、と。
彼女はなにも言わず、僕の後ろにまわった。そして―――――。
ぶつっ。
「全く、この糞ロボットは不良品ね。唐突に私に告白してきたわ。心をもったロボットなんか、気味悪いわ。」
 
 「フランツ・カフカ」「ペシミスティック」「リップ・クリーム」

11 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 19:19
テンプレを読め。

12 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 20:30
漏れはペシミスティックなリップ・クリームのフランツ・カフカ。

「不良品」「唐突」「心」

13 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 20:39
>7.12
1のお約束に
文章は5行以上15行以下を目安に。とあります。
どうぞ、テンプレをきちんと読んでからカキコしてください。

14 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 20:47
固有名詞の意味が解らない奴が紛れ込んでるな。

15 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 20:47
おいおい、そのお約束に

>4:最後の行に次の投稿者のために3つの語(句)を示す。ただし、固有名詞は避けること。

頼むよ兄貴。「目安に」と「避けること」の違いが分からん訳じゃないだろ。
前者は推奨、後者は禁止。わかるかい?


16 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 22:43
不良品は唐突に、心を動かした。

「VS」「電波」「麻雀」

17 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 22:44
VSさんがいると知り、書いてみました。
レベルが高いと聞いていたのですが、そうでもなさそうですね。

VSさんに期待!

18 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

19 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 22:46
こんなスレで油売ってないで、さっさとスレに帰ってきてよ!
職人さんが書かなくなると、荒らしがどんどん調子づくんだから!
頼むよVS!

20 :名無し物書き@推敲中?:04/02/29 23:28
ここは「与えられたお題で適当に遊ぶスレ」ではありません。
また、いるのか分からない個人を呼び込むのもやめてください。
創作文芸板でも比較的真面目に文章を書いているスレなので、
上記の行為は文章を書いている方に失礼であると愚考します。

21 :名無し物書き@推敲中?:04/03/01 00:59
「フランツ・カフカがペシミスティックな文体なのは有名だけどよ」
「わかんねーよ。もっと分かりやすくしてくれ」
「んー、まあ、簡単に言うと『ガソリンで動くロボット』と、『ジンベイザメ』くらいな感じだな」
「なるほど」
「んで、アレの一節にあった『私は無性にリップ・クリームをしゃぶりたい衝動に駆られた』だけど」
「俺はそんな気持ちになったことねえな。乳首はしゃぶりたいけど」
「世の中には凄えヤツがいるってこった。嘘かも知れんけどな」
「嘘か」
「わかんね」
マグロ漁船に強制的に乗せられ、精神がおかしくなった若者二人の会話。

「愛」「傘」「歌」

22 :名無し物書き@推敲中?:04/03/01 02:11
源静香を愛する余り、野比のび太は驚くべき計略を思いついた。
まず、静香の傘を盗む。
そして、傘がなくて途方に暮れてる静に一言。
「しずちゃん、傘がないのなら入れてあげようか?」
優しさをアピールすることで、静香のハートを掴もうという作戦だ。
いよいよ決行の日。どしゃぶりの雨。
のび太は静香の傘を盗もうとするが、スネ夫に見つかり失敗。
しかも、盗んだ傘はジャイアンのだった。
「てめぇ・・・ギタギタにしてやる!」
「ゴメン、許してよ」
「ダメだ! ・・・と言いたいところだが、俺は優しいんだ」
「え?」
「俺様の新曲作成に付き合え。そしたら許してやる」
「そんなぁ〜」
結局、のび太はジャイアンの歌を五時間も聞かされるハメとなった。

「宿題」「当番」「試験」

23 :「宿題」「当番」「試験」  ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/03/01 09:38
 最近小学生の間で、全国的に教師をおちょくるのが流行っている。
うちの学校もご多分に漏れず、荒れていた。
 パパパ……パパパパパパパ……。また爆竹か。放課後のコーヒー
タイムを邪魔しやがって。このあいだ学級会であれほど持ってくん
なっつったのにあの糞餓鬼どもが。一言いってやるか。

 廊下のど真ん中に1万円が落ちていた。手を伸ばしかけて、俺は
すぐにピンときた。職員室を出た途端、俺にカンチョーを仕掛けに
突進してくる餓鬼共の気配が無い。怪しい。静かすぎる。
 餓鬼共め、どこかで見守ってやがるな。俺を試そうなぞ十年早い
わ。試験は教師の特権なのだ。俺は涼しい顔で1万円札をそのまま
捨て置いた。
 少し廊下を進むと、廊下に絵の具がぶちまけられていた。餓鬼共
が! 掃除当番をサボるなとあれほど言ったのに! 俺は怒りに鼻
の穴を膨らませた。だいたい誰だ、絵の具をぶちまけた奴は! お
っと、いかんいかん。怒っては奴らの思う壺だ。これは罠に違いな
い。まったく、今時の教師ってなあ、因果な商売だぜ。
 絵の具は教室へと続いていた。さて、何が待ち受けている?
 俺は、頭上から黒板消しやバケツが降ってこないか警戒しながら
扉を開け、努めて冷静に注意した。
「こら君達。爆竹を鳴らすのはやめなさい。さもないと明日の宿題
は倍の量……」
 みなまで言う前に爆竹の音がした。俺は身体に衝撃と熱を感じた。
胸と腹から、赤い絵の具が噴き出した。
 俺は、驚愕に目を大きく見開いた。俺が見た光景は、教室中に横
たわる餓鬼共の血まみれの死体と、バッグに溢れるほど一万円札を
詰め込み、よだれを垂らしながら爆竹――マシンガンを乱射する男
の姿だった。
 どうやら、宿題はあの世で出すことになりそうだ、と思ったとこ
ろでまた爆竹の音がして、ぷつん、と意識が途切れた。

24 :23:04/03/01 09:48
「宿題」「当番」「試験」でした。

次は「海」「鳴き声」「墓標」でよろしくおねがいします。

25 :名無し物書き@推敲中?:04/03/01 11:35
春の暖かな日差しを浴びベランダにある物干しにぶら下がるイカ達が風に揺れて
そよそよと泳いでいる。
「靴下もこうやって横一列に並べると壮観だな」
洗濯層の底にある排水口に吸い込まれていく鳴門の渦を眺めていたら、不意に声を
掛けられた。
「ここだよ、ここ」
私の足元にちょこんと仔猫が座っていた。「まさかね」私はしゃがみ込み
喉元を撫でてやった。ゴロゴロと喉の奥から鳴き声だす。
「いま、ミルク持ってきてあげる」
「酒のほうがいいな、酒にしてくれゴロゴロ」 えっ、ふさふさの毛から指を離し
私は仔猫に問いかけた。
「おまえ、話せるの?」
「さっきから話してるぜ」
「おれは二ヶ月前は漁師だったのさ、毎日、毎日、海でイカを捕ってたんさ」
仔猫は続ける。「おれさぁ、一週間前に生まれ変ったんだよ猫に、猫だぜ」
「やんなっちゃうよなゴロゴロ、だけどさぁ自由なんだなぁ猫の生活って」
「心配はいらないぜ」 声は遠く小さくなっていく……
私はそこで目が覚めた。ベランダに置いてある椅子に腰掛け、白いテーブルに
うつ伏せになり涙を手の甲で拭った。心の中で亡き夫の墓標向かいに手を合わせた。

次は「天麩羅」「春」「夕闇」でお願い

26 :名無し物書き@推敲中?:04/03/02 01:14
 天麩羅を口いっぱいに頬張った。電気は付けずに食べる。それが日常だ。
特に何て言う事は無いが、生の日の光が好きなのだ。
時間が経ち、夕闇が町を覆っても電気は付けない。何者にも邪魔されない闇の悠久もまた大好きだ。
それでも、朝が来てまた光に溢れる、その不変なる世界もこれまた堪らない。
季節もまた、逆らうことを許されず流れ行く。春・夏・秋・冬……美しいサイクル。
花粉症に悩まされる春。
早く冬が来ないかと毎年思う夏。
個人的には一番過ごしやすい秋。
そして、早く夏が来ないかと毎年考える冬――。
永久に繰り返される朝・昼・夜、そして、春夏秋冬――俺は、この曲線を何よりも愛す。
そして何より日本が大好きだ。時の流れを甘美に伝えてくれるこの日本が大好きだ。

「修羅」「完遂」「突破」

27 :いい逃げ勘弁簡素人:04/03/02 21:26
本家スレ立て、新規即興おつかれさまです。
勝手な私的感想であり、批評とかではないのをご了承ください〜。

>2
この手の系統はちょっとシュールな気がするけれど、
長い話の一部分、見たいな感じで、違和感なく読めました。
「痛み」がそっちのほうのだったとは。

>9
『私』はいくつの人で、いつ頃の時代なんだろうかなあとか思って読み進めると、思い切り現代でしたか。
意外な感じが好みです。
嗚呼 というのをわざと多く使っているのかもしれませんが、ちょっとうるさい風に感じられました。


>23
ひのさんのではこれが一番好き。
餓鬼 はちょっときつい感じを受けました。でもひのさん的に「ガキ」「がき」じゃ、柔らかすぎだったのかな。

28 :いい逃げ勘弁簡素人:04/03/02 21:26
ぎゃー! ごめんなさい。
誤爆です。
ごめんなさいごめんなさい。

29 :「修羅」「完遂」「突破」:04/03/02 23:53
僕が生まれるちょっと前に、日本で再び徴兵制度が施行された。
当時の首相Kが「今、日本に一番必要なものは戦争です!!」と声高らかに宣言
し、周囲の雑音を完璧無視した結果だった。
僕が10歳になると、例外に漏れることなく赤紙がポストに投函された。
母は泣き崩れ、父も泣き崩れた。
僕はというと、大して泣きたくもなかったけど二人に感化されて泣いていた。
どうせすぐに戻ってこれる、とどこか楽観していた。

「敵陣突破!」
部隊長の現状報告で周りの士気が上がる。「上」からの任務を完遂した僕達は
次なる任務に赴く。皆、修羅のようだ。
今回の戦争のスローガンは「アメリカから自由を奪還せよ!」だ。前の朝鮮との
戦争では「幸せは戦争で勝ち取れ!」だった。
僕は思う。少なくとも僕の装備の自動小銃では、自由をもたらすことはできないと。
そもそも自由ってなんだ。米兵を撃ち殺すことが自由? 違う!!
「自由ってなんなんだよ!!! 僕達のやってることはなんなんだよ!!!
 憎しみの連鎖じゃないかよ!!! これが自由か? どこが自由だ!!」
思わず叫んでしまったら、部隊長に両手両足を撃たれた。
部隊の規律と士気を下げる、と判断されてだろう。僕はもう用なしか。
皆が僕を置いて先に進んでいく。一人取り残されて僕はちょっぴり自由だと思った。

次は
「責任」「大人」「サラリー」
でお願いします。


30 :「責任」「大人」「サラリー」:04/03/03 01:16
「まったく、あなたには大人の責任感ってものが備わってないの!」
「そなわってましぇ〜んマシェ〜リ〜♪」
女に叱り付けられた男は不貞腐れ、ふざけ半分で答えた。
「マシェ〜リ〜♪じゃないわよ!バカのフリするのはやめなさい!」
女は男の口振りをわざと真似て答えた。
「バーカのふり!ヘイ!バーカのふり!」
女の釣り上がった目が男を睨み付けたが男は構わず続けた。
「バーカの壁!ヘイ!バーカの壁!」
男は手拍子も交え、一人で盛り上がり始める。
「バカ部長!ヘイ!処女部長!」
その瞬間、女のハイヒールのつま先がが男の急所を捕らえ、
男が低いような高いようなうめき声を上げ床にうずくまった。
女は間髪居れずに、うずくまった男の髪の毛を掴み、
こめかみに白く美しい膝小僧を撃ち込んだ。
男はドタンと床に倒れ、白目を向いて失神した。
「サラリーマンをなめんじゃねえ!」
女が叫んだその言葉は、もう男の耳には届いてなかった。
女はそれに気付いたが、特に驚く様子も無く、男を横目に部屋を後にした。
女が去ったその部屋には、淡い香水の匂いが立ち込めていた。


「赤飯」「老人ホーム」「小人」

31 :岸和田:04/03/03 17:43
「赤飯」「老人ホーム」「小人」
 僕が電車に揺られて目をつぶっていると、ふと前の座席の会話が聞こえてきた。
「ねえ、何か怖い体験とかってした事あります?」と、若い男の声。
「怖い、体験、ですか?」と、中年の男の声。
一体どのような関係なのだろう、と思いつつ、僕は話し始めるのを待った。
「・・・ひとつだけあります。5年前のことでした。」 中年の男が間をあけて、静かに話し始めた。
「その日はとても暇で、私は町を散歩していました。そして1時間ほど歩くと、腹が減ってきたんです」
「私はスーパーで赤飯と牛乳を買うと、どこかゆっくり食べられるところを探したんです。」
「ふうむ」 と若い男が唸った。中年の男は話を続けた。
「どこかの公園のベンチでもと思い、ぶらぶら歩きながら探していると、老人ホームがあったんです。町のはずれにあったので、周りに家とかはありませんでした。私は少し迷ったんですが、そこに入っていきました」
「どうして老人ホームなんかに?」 と若い男が聞いた。
「いや、ちょっとした庭みたいなところにベンチが見えたものですから、人もいませんでしたし」
「そして私はベンチに腰掛けました。すると、尻に何か変な感触がしたんです。なんだろう、と思って立ち上がってみてみると、5センチくらいの小人がいたんです。」
「何だか奇妙なものでした。40歳くらいの男をそのまま10センチに縮めたような感じです。そいつはなにやらモゴモゴと喋りました」
「すると、わらわらわらと地中から小人が出てきたんです。そして・・・」
・・・気がつくと僕は眠っていた。目をこすり、前の座席を見ると誰も座っていなかった。僕は結末がひどく気になった。

 「バッド・エンド」「かまきり」「スピーカー」

32 :名無し物書き@推敲中?:04/03/03 22:32
目の前を、外にまでスピーカーの音がもれる車が猛スピードで横切った。
僕はその場で立ち止まり、視線を落とす。その落とした視線の先にはかまきりがいた。
ぺちゃんこになっていた。さっきの車に轢かれたのだろう、当然、ピクリとも動かなかった。
「バッド・エンドってやつだな」僕は呟いた。『そうだな』呟きに応えが返ってきた。
男性の太く渋い声だ。「かまきりライフは楽しめたかい?」僕は問う。
『まぁ、ぼちぼちってとこだな』渋い声はさらに続けた。『もうすこし駄目か?』
「却下。君には上にいてもらわないと困るからね」僕はそういうと懐から小さな瓶を出し、
かまきりの死骸を入れた。瓶の中で、かまきりはその体を青白い光に変えていった。
「だいたい、神様がかまきりの姿で逃げるなんて前代未聞だよ。しかし、なんでまたかまきり?」
声はこたえる。『ただの気まぐれだ。深い意味はないよ』と。
「気まぐれでかまきりになって、部下に迷惑かけるなよ」と言いたいところだが、無駄そうなのでやめた。
『さっきの車には罰を与えないとな』というと同時に、車が走っていった方向で大きな爆発音がした。
『仕事が増えたな』そう言うと面白そうに笑う。僕は、音のした方向を一瞥すると大きなため息を一つつき歩き出した。
太陽は半分ほど地平の彼方へと沈んだようで、あたりには少しずつ夜の雰囲気が漂い始めていた。

「響き」「無限」「有限」

33 :名無し物書き@推敲中?:04/03/03 23:36
失礼ながら、VSが来るまでは居つかせてもらいますよ
どこにいやがるVS!

34 :名無し物書き@推敲中?:04/03/03 23:36
いやなに、VSがプロと同等なんていう、面白い妄想を聞いたもんでね
どんくらいのもんかと見にきたのよ

35 :名無し物書き@推敲中?:04/03/03 23:37
そしたら、いやしねーwwwwwwwwww

36 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

37 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

38 :「響き」「無限」「有限」 :04/03/04 00:37
水曜の昼休み後、全社員を集めた会議が開かれた。
全社員で会議、とはいうものの社長を含めた社員数が5人しかいな
いものだから、見ようによっては昼飯後の茶飲み話にも見える。
しかし、内容は重大だった。始めに社史に関わる議題が告げられた。
「社名を変更しようと思うんだよね」
田中社長の言葉に熊野部長が黙ってうなずく。あらかじめ聴いていたようだ。
「なんか有限会社田中商事って、印象薄いんだよね」
今度は社員全員がうなずく。しめし合せたものではない。
「え〜、じゃあ社長さんあたしのお婿にきちゃう〜?佐倉田商事になろうよ」
唯一の女性社員、佐倉田が茶化した。彼女は年齢不詳で 恐れ られている。
[いやもう僕の名前にはこだわんないんだよね。なんか意見ないかなぁ」
その後三個ほど意見は出たものの決まらず、皆だんまりになってしまった。
「そうだじゃこういうのどうだろう、無限会社田中商事 ね、いいよね」
「社長、そこは変えられませんから」
一言も発していなかった経理の細野さんが社長をなだめる。
(こだわってんじゃん)そう心の中でツッコミを入れる新入社員の大見。
(でも無限会社ってのはいいな。なんかロマンがあるな。でも田中がじゃまだな)
新入社員の眼光が鋭く光った時、終業の鐘ベルが響き渡った。
その後田中商事はその名前を消すことになるが、どうなったのかは語らずにおく。

「工員」「アキレス」「石鹸」


39 :「響き」「無限」「有限」:04/03/04 00:38
「はい! 俊くんに質問であります!」
 行楽客でごった返す繁華街の往来で、社長が右手を上げて素っ頓狂な声を
張り上げた。社長の目の前には俊郎がいる。女性同伴である。
俊郎の目元に、かすかに狼狽の色が走った。『会いたくない奴に会っちまった』
とでも言いたげな表情だ。
「俊くんの隣のワンワンは、どこで拾ったワンワンでありますか!」
「いやあの社長、俊くんはやめて下さいってば。ていうかワンワンって何ですか。
どっからどう見ても人間でしょ、この人。僕の彼女ですよ」
「かかかカノジョ!? 質問その2であります! 俊くんは、限りある会社の資源を
一体なんだと思っているんでありますか!」
「いや、会社の資源が有限だろうが無限だろうが、彼女とは全然関係ないと
思うんですけど」
「関係あーる! ワシの社員の彼女は全員ワシの会社のもんだ! 返せこの!」
 俊郎に目潰しの砂を食らわせて、社長が女性を横抱きにして脱兎のごとく
駆け出した。一瞬視界を奪われた俊郎だが、すぐさま回復して社長の後を追った。
「待てコラ! 俺の美喜をどうするつもりだクソジジイ!」
「社長をクソジジイ呼ばわりとはいい度胸だ! 給料も彼女も半分カットだ!」
「彼女を半分カットって何だおい! 全部返せ全部!」
 俊郎との心温まるやり取りに夢中のあまり、社長は赤信号に気づかなかった。
居眠り運転の暴走トラックが、横断歩道の真ん中の社長と美喜目がけて突っ込んだ!
野次馬の悲鳴でようやく気がつくも、時すでに遅し!
「ガッデム!」
 思わずしゃがみ込んだ社長だが、いつまで立っても衝撃は来ない。背後から肩を
叩かれておそるおそる振り返ると、ようやく追いついた俊郎だった。俊郎は呆然と
宙を見上げている。俊郎に促されるように、社長も頭を上げた。その視線の先には…。
 トラックが宙に浮いている。トラックのさらに上に、一人の女性が浮かんでいる。
純白のローブに大きな羽根。穏やかな笑みをたたえたその女性は、美喜だった。
「俊郎さん、社長、びっくりしましたか? 実はわた」
「うっさいボケ! テメーはおとなしくワシにさらわれろ!」
「きゃー!」
「美喜ー! 待ってくれ美喜ー!」
 再び鬼ごっこが始まった。美喜の絶叫の甘美な響きが、街を天使色に染め上げた。

40 :「響き」「無限」「有限」:04/03/04 00:38
う、1分差。お題はおまかせします。

41 :うはう ◆8eErA24CiY :04/03/04 02:02
「響き」「無限」「有限」「工員」「アキレス」「石鹸」

 彼女は、製糸工場の貧しい工員だった。一週間前、肺炎でクビになるまでは。
 雪道に倒れこみ、高熱に薄れゆく耳に、ベンツの男の声が響いた。
 「君は誰だ。大丈夫か。とりあえず屋敷に来たまえ」
 
 命を救われた彼女は、屋敷に仕える身となった。
 暖かいベッドと石鹸の匂いがするエプロン。優しい御主人様…自分には夢の様だ。
 「あの方が喜んでくれれば」と、初めて作ったケーキ。小さな体が幸せで一杯だった。

 3年経った。ブランドに身を固め、エステ帰りの彼女は奥座敷に呼び出される。
 屋敷の金をくすねた恩知らずの女に、御主人様の言葉はなぜか優しい。

 「誰でも幸福の持続を追求する。けど、短期間で生活が飛躍的に向上した君が
  その向上速度を持続するには無限の財が必要だ。それが幸福のアキレス腱だ」

 部屋の奥には、巨大でグロテスクなマシンがあった。「記憶消去装置」だ。
 「有限の財のささやかな工夫さ。雪道で出会ってからの、君の記憶を消去するよ。」

 一週間後。雪道で瀕死の彼女の前に、またもやベンツが停まる。
 「君は誰だ」初めて会う事を装ったセリフで、男はドアを開ける。
 ちょっと照れる。けど、5回目ともなるとさすがに…

※無理にお題追加。1/3に削るとさすがに…(^^;
 次のお題は:「銀」「ホタル」「カレー」でお願いしまふ。

42 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 02:38
 僕は探した。噂を頼りに、探した。
「あのドーナツ森のどこかに、魂の集まる場所がある」――こんな話、馬鹿らしいかもしれない。だけど、だけど――。

 「はあ、はあ、はあ……」
僕は馬鹿だ。「森のどこか」この程度の情報じゃ探しようが無いじゃないか!
いつの間にか、体中から汗が吹き出ていた。長袖を捲り、顔を上げ額を拭う。
そのとき、木々の奥から薄ぼんやりとした銀色の光が見えた。

 そこは、森の中央にぽっかりと空いていた――空から見るとドーナツみたいに見える――原っぱだった。
ホタルの光とそっくりな、しかしそれより一回りも二回りも大きい物体が、幾つも漂っていた。
「お母さん……僕だよ、分かるだろ? いるんだろ、母さん!」
僕は必死に叫んだ。これが魂なのだとしたら、この中にいるはずだ。いるはずなんだ。最近死んだ母さんが……。
「母さん、僕に言ってくれたよね……『どんな時でも傍にいる』って。本当だったんだよね。それは、ホントにホントだったんだよね?
 母さんの編んだセーターが着たい、母さんの作ったあの辛いカレーが食べたい、母さんの肩を揉んであげたい……!
 ねえ、お願い出てきてよ! 母さん!!」

 暗い。目を開いた、明るい。夜は明けていた。周りにもう魂は無い。ただの、原っぱだ。
目尻から下になぞっていくと、かさりとした感覚があった。涙の乾いた痕だ。記憶に無いが、僕は泣いていたのだ。
首には、木の葉で出来たマフラーが捲かれてあった。また、目が潤んできた。

一行オーバー。
「工事」「海」「公用語」

43 :ddt ◆OK6jfumzas :04/03/04 02:50
「銀」「ホタル」「カレー」

ホタルだ。
宙に舞っている。とても美しい。安直だがそれ以外に言葉が浮かばない。
くるくると弧を描きながら、光は空に吸い込まれていく。
なんだか大事なものが居なくなった気がして、じっと跡を目でなぞる。
ここは何処だろう。思い出せない。思い出さなくてもいい、と誰かが囁く。
頭がゆっくりと痺れてくる。
不意にどこからかカレーの匂いが漂って来た。懐かしい匂いに顔がほころぶ。
私の大好物だ。特に妻が作ったものは絶品だった。
あのスパイスの効いたカレーは、きっとこの冷えた身体に熱を取り戻してくれるだろう。
冷えた?冷えたってなんだ?ここは一体何処だ?私は一体――

気がつけば、あたり一面、銀に満たされた世界だった。何も見えない。聞こえない。
雪に埋もれた身体は、最早揺り動かすことすら出来ない。
ああ、そうか。私は気付いた。
あのホタルは私の魂だったか。

44 :ddt ◆OK6jfumzas :04/03/04 02:51
かぶってしまった……ごめんなさい。
お題は>>42でお願いします。

45 :「銀」「ホタル」「カレー」:04/03/04 03:09
「誰がアホやねん!!」
室内に安田の声が響いた。
・・・おまえ以外に誰がおんねん・・。これやからアホは嫌いだ。
うんざりとした僕を尻目に、安田はご自慢の豚っ鼻をならしながらぐだぐだとわめいている。
やれやれ・・・。
「いや、お前やない、安藤やからあいつ金返しよらんのよ」
「ほんとか〜?なら、ええわ、お〜いよしお飯行こうや」
やっぱりアホや。
ごつい体を揺らしながら教室を出て行く、一年のときから代えてないのだろうかズボンがテカテカホタルみたいだ。
ドカッ!!!
ドアで肩うちやがった、ザマアミロ
安田を見送ると、安藤が声をかけてきた。
「ってかさ俺使うなや〜。まあいいや、俺らも飯いこうや」
そうだまだだった。「バカは時間を忘れさせてくれる。う〜ん名言かもしれん」
「なに、いってんねん、はよいこや」
昼飯はカレーだ、うまくもないがここの食堂では一番マシ
「ってかさ、アホすぎるなアイツ」安藤が言う
「ああ、人間やないで」
俺がそういったとたん安藤の動きが止まった。
なんだ・・・??まぁいいや食おう、
溢れ出る涎をおさえながらスプーンを手に取った
銀のスプーンには安田の顔がうつっていた。

「サングラス」「傘」「親指」


46 :45:04/03/04 03:13
かぶりまくり、ってか初めて書いた
俺のだけ馬鹿みたい
お題は>>42

47 :「工事」「海」「公用語」 ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/03/04 09:07


 大工事だった。汚染された海を浄化して、環境問題と食料問題を
一気に解決してしまおうという計画である。
 地球規模の大事業なので、プラントを設置する作業員の国籍は多
岐に渡る。長期間のあいだ専門用語が飛び交ううちに工事関係者だ
けに通じる公用語のようになっていった。
 工事はなかなか進まない。規模が大きすぎて進捗を把握するだけ
で一苦労なのだ。資材は誤って地球の裏側へ届くわ、新規参入の業
者と言葉がなかなか通じないやら、環境保護事業なのに環境保護団
体のテロ予告があるわで工事はしょっちゅう中断する。

 工事間多し、いや、好事魔多しとはよくいったものである。




次は「さかしま」「フラメンコ」「ほっかむり」でお願いします。

48 :「サングラス」「傘」「親指」:04/03/04 13:47
 尖った日の光を遮るためにサングラスをかけるというのは分かる。
 同じ理由で傘を差すのもままあることだ。
 けれども流石にコウモリ傘はないんじゃないかと思う。
「だってコンビニにはビニール傘しか置いていないじゃない」
「それは流石に嘘だろう」「嘘じゃない。なんなら一緒に確認してみてよ」
 僕は響子と一緒に近場のローソンに向かった。
「ほら、やっぱりビニール傘しかない」
 響子は鬼の首を取ったといわんばかりに、店の前の傘立てを指差した。
「あれは商品じゃなくて、客のだろう?」「え? 無料サービスじゃなかったの?」
「そんなわけない。中に入ればまともなのがある。買えよ」
「嫌だ。お金がもったいないもの」
 僕は溜息をついて千円札を響子に手渡した。
「もう面倒だ。これで買ってこいよ」
 たぶん響子のことだから、こうなることは分かっていたのだろう。
 親指をグッと突き立て、店の中に駆け込んでいった。

お題は47の「さかしま」「フラメンコ」「ほっかむり」で。

49 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 13:56
VSさん出てきてよ!
アンタのせいで、俺のオヤジ蒸発しちゃったよ!

50 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

51 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

52 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 14:02
>>47
センスなさすぎ
お前の両親が存在するだけで迷惑なのに、交尾してテメーみたいなクズを生んじまうとは・・・
まったく、お前の一族は何考えてんだ!

VSさん、カモン!

53 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 14:03
VSさん出てきてよ〜
オイラ許せないんだよ
外伝さんと最強への道作者を踏みにじった、ここのクソッタレをよう!

54 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 14:05
VSいないの? 居留守だろ?
真・うんこ=VSだろ? 分かってんだ!

55 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

56 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

57 :岸和田:04/03/04 19:24
「さかしま」「フラメンコ」「ほっかむり」
 「あの・・・失礼ですがさかしまさんでいらっしゃいますか?」
僕は振り向いた。そこにはほっかむりをしたスーツ姿の中年男が立っていた。
「いや・・・違いますけど・・」 僕は慎重に言葉を選び、そう言った。
「いや、違いますね。嘘はやめてくださいよ。さかしまさんじゃーないですか。」
男は微笑を顔に浮かべながら言った。間違いない、分かっていますよ、というような口調だった。
「人違いじゃないでしょうか?僕はあなたなんか知りませんし、さかしまなんて名前じゃありません。」
僕はきっぱりと言った。この人はちょっとおかしい。そもそもスーツにほっかむりをしているまともな人間なんかいるものか。
「いやいやいや、ふざけないでくださいよ。さかしまさん。あなた車の免許持ってたでしょう?その名前みたらどうです?」
そう言うと男はにこにこして僕を見た。やれやれ、しょうがない。免許を適当に確認して追い払うか。
僕はあきらめて免許証を取り出すと、さっと目をとおした。
・・・え?
さかしまフラメンコ。 名前のところにはそう記されていた。
写真のところにはひと目見るだけで嫌になるような中年男の写真があった。
毛虫みたいな太い眉毛、厚い唇、飛び出した鼻毛、だらんと垂れた目、ブツブツの肌。
僕はあわてて手鏡を取り出した。そんなはずはない。
しかし鏡にはさっきのあの男が蒼白な顔で映っていた。ふと腹に目をやると、僕の割れた腹筋はどこかへ行っていた。
でっぷりとズボンから肉がはみだしていた。
うわああああああああああああああああああああああ。

58 :岸和田:04/03/04 20:59
お題忘れてました
「雪」「だるま」「チャット」で。

59 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 21:15
ねえ、少し話をしていいかい?いや、多分信じないと思うんだけどね。
 僕が、その島に渡ったのは三ヶ月ほども前のことだったと思う。
その「逆島」(さかしま)という島は、数百年も前から存在が認められているが、
誰も辿り付いた者は無く、深い霧の日にだけその姿を水平線に現す謎の島だ。
多くの研究者達が、その島へ渡ろうと苦心したが、誰一人辿り付けはしなかった。
僕がその島に何故辿りつけたかは解らない。ひょっとしたら、朝食に食べたスクランブルエッグのせいかもしれないし、
僕が戻るつもりもないままに、防波堤に停泊されていた誰かのボートに乗ってきたせいかもしれない。
 その島は不思議な島だった。砂浜に打ち上げられた僕が最初に見たのは、巨大な洞窟だった。
僕は、ボートから降りてその洞窟に入り込むと、僕の頭上には、洞窟の天井いっぱいに片足でぶらさがる、
真っ赤な鳥の群れがあった。フラメンコだ。鳥達はその小さな目で僕を一斉に見据えると、
なんだ、つまらない、といった風情でまた洞窟のどこぞへ視線を返した。
僕は、鳥たちを無視して、洞窟の奥へ入り込んだ。すると、奥のほうから灯りが見えた。
小さなテントが、洞窟の中に立てられていた。僕は、テントの前まで歩くと、すいません、と言った。
テントの入り口が開くと、そこから出てきたのはほっかむりをした、身長130センチ程の男だった。
ボロボロの作業着を着て、小さな顔に、立派な髭をたくわえていた。男は一頻り無言で僕を上から下まで眺めると、
「ああ、また入って来たのか。面倒くさいな。とりあえず眠りなさい」
と言った。いや、言ったと思う。僕の次の記憶は、病院の上だった。海面を漂流しているところを、
地元の漁師に助けられたらしい。・・・という話さ。面白いだろう。うん、君の言う通り夢だったと思うよ。
でも、目を覚ました時、僕の服には、一本の赤い羽根がくっついてたんだ。それだけ。

60 :名無し物書き@推敲中?:04/03/04 21:17
ああ、すいません。お題無いと思って、前のお題で書いてしまいました。
>>58のお題で続けてください。申し訳ありませんでした。

61 :名無し物書き@推敲中?:04/03/05 21:08
このスレ荒らしてる奴、ガイドライン板のSSスレから来た奴だろ

62 :名無し物書き@推敲中?:04/03/05 21:59
つーか、VS出せや。

63 :「雪」「だるま」「チャット」 M:04/03/06 01:01
大学受験で3浪して、ずっと引きこもりだったにーちゃんが、最近明るくなった。
ちょっと前に見つけたチャットルームで、見ず知らずのいろんな人に励まされたらしい。
今までろくに会話もしなかったのに、昨日は私にパソコンまで預けてくれた。
「チャット仲間とも約束したんだ。次にくるのは大学生になってからだって。」
少し恥ずかしそうにそういったにーちゃんは、とても誇らしそうだった。
今日はそんなにーちゃんの受験の日だ。
朝からの大雪に、少し慌てながら受験会場に向かうにーちゃんの後姿を見て、
今日この日のことを、お礼も込めてにーちゃんのチャット仲間に報告しようと思った。

『そーいえばさー、あの3浪どうなっただろうね』
『今日辺りじゃなかったっけ、最終受験日。・・・東京大雪だしなぁ・・・スベルんじゃないか(w』
『ひどいこというなぁ(笑。俺、目入れる用に達磨まで用意してやったんだが。』
『達磨だけに、手も足も出ない。なんてなー(核爆ww』

チャットルームに繋いだとたん、目に入った会話に、私はそっと退出してログを抹消した。
その前に言いたいこともあったけど、きっとにーちゃんの第一声が、こいつらにとって一番のダメージになるだろうさ。

次は「雛人形」「花」「吹雪」でお願いします。

64 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

65 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

66 :名無し物書き@推敲中?:04/03/06 01:37
VSさん、出てきてよ!

67 :名無し物書き@推敲中?:04/03/06 01:38
VSさん、居留守は止めてよ!
分かってんだから

68 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

69 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

70 :名無し物書き@推敲中?:04/03/06 02:23
VSさん、こんな僻地に逃げてないで、出てきて下さいよ。
ここならばVSさんがナンバー1になれるから、居座る気持ちも分かりますけどね…。
麻雀の続きが読みたいんですよ。

↓復活されるならば、とりあえずここに一報下さい。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1078380592/l50

71 :名無し物書き@推敲中?:04/03/06 02:27
あと、ここの姉妹スレで陰口を叩いてる方々。
貴方達にも責任はあるんですよ?

創作活動に励むのも大いに結構ですが、時には他の人間の事情も察してください。

どうも失礼しました…。

72 :「雛人形」「花」「吹雪」:04/03/06 04:32
 北陸にあるこの地方は春というにはまだ寒く、昨日は軽く吹雪いてもいた。
 その為に私は風邪を引いたが、旦那の看病もせず三歳にもならぬ娘の為に豪華な
八段棚を飾っている妻の様子は、咳よりもため息を目立たせた。
「なぁ、氷換えてくれないか」
「ちょっと待ってー、まだ桃の花を飾ってるところなの」
 同じ台詞は五分前にも聞いた。私の伴侶は何を決めるにも優柔不断で、何をするにも
牛歩の歩みというのんびりした性格をしている。
「なぁ、氷……」
「今お内裏様ぁー。これが終わったら換えるからー」
 先の花から考えると、どうも並べる順番はバラバラのようだ。妻は要領も悪い。氷を
換えるにも、一回にたっぷり三十分は掛ける。その間に砕かれた氷が半分溶ける。
「なぁ、まだかー」
「今甘酒の用意してるのー」
 どうやら台所に寄って思い出したらしい……。私はもうしばらくこの生ぬるい水の
感触を味わっていなければならないのかと、今日何度目かのため息をついた。

次「ホット」「項」「リード」

73 :72:04/03/06 04:34
うわ、推敲してる内に「雛人形」が消えた……。
も、申し訳ない。飛ばしてください……。

74 :「ホット」「項」「リード」 ひの ◆W2Z6LpgaXA :04/03/06 10:43


 俺はギョっとした。犬と散歩中に斎木さん夫婦と出くわしたので
ある。
 三十路の、女盛りの美人の奥さんが全裸で、色っぽい項《うなじ》
に首輪をかけて四つんばいの格好である。旦那さんがリードを引い
ていた。
 回れ右しようとしてゴミ箱にぶつかって、斎木さんの旦那さんに
見つかってしまった。こうなると挨拶せねばならなくなる。
「こんにちは」
「どうも、こ、こんにちは」
 斎木さんは真っ直ぐ俺の目を見て、爽やかに挨拶した。俺は背の
高い斎木さんをぐぐっと見上げて、なんとか挨拶を返した。俺はき
まりが悪くて、頭《こうべ》をたれた。奥さんと目があった。俺は
目を逸らした。挙動不審なのが自分でもわかった。
「愛のかたちは、様々ですね」
「え、ええ、そうですね。ほんとに……」
 斎木さんはにこにこと笑いながら言った。俺は相槌をうつのが精
一杯だった。
「では、これで」
「あ、は、はい。どうも」
 斎木さん夫婦は同時に礼儀正しくぺこりと会釈すると、行ってし
まった。俺は大きく息を吐いた。気が小さい自分が恥ずかしかった。
 俺は立ち上がって、自販機でホットコーヒーを買って一息ついた。
それからまた四つんばいになって、犬にリードを引かれて家へ帰っ
た。


次は「痩せっぽち」「回転運動」「バーベキュー」でお願いします。


75 :名無し物書き@推敲中?:04/03/06 14:26
地球から火星までは、あっという間だった。
僅か2時間の短い旅。
その間は、シェーカー提督の「第三次マゼラン大戦回顧録」を読んで過ごした。
やがて私を乗せた普通銀河列車チハ13系は、回転運動をしながら
火星上空に浮かぶコロニー群の間をすり抜け、火星の大気圏を突き抜け、
夜空を滑るようにして、巨大なマリネリス峡谷を丸々埋め尽くすように
造られた「マーズステーション」に停車した。
ホームに降り立ち、ちらと左腕に目をやる。時刻はちょうど午前0時を指していた。
一息つこうと煙草を咥えた時、ふと気づくと私の横に鉛筆みたいに痩せっぽちの
老人が立っていた。老人は私を見あげ、唐突に、
「あんた、これから暇はあるかな」と好々爺な口調で訊ねてきた。
列車から降りたばかりの人間をいきなり捉まえて「あんたこれから暇か」
も何もない。しかし、この老人を邪険に扱うのも悪い気がする。
「じいさん、僕はこれから友人達と待ち合わせてオリンポス山国立公園で
バーベキューをするところなんです。悪いけど暇じゃないんだ」
言ったあとで、今のは我ながら下手な嘘だな、と少し後悔した。
私の後悔を見透かしたように老人の目が光った。


76 :75:04/03/06 14:29
すいません、お題書き忘れました。
次は「カード」「仏像」「六本木ヒルズ」でお願いします。

77 :「痩せっぽち」「回転運動」「バーベキュー」:04/03/06 14:45

痩せっぽちのピッピがバーベキューをしようとうるさいんだ。
僕はそんなお金なんてないと断ったんだけれど、
次の朝からピッピが枕元でラジオ体操を始めたものだから叶わない。
屈伸や上半身の回転運動ならまだしも、
跳躍をされると床がズシズシと響いて寝ていられたものじゃない。
「どうしてこんなことをするんだよ?」僕がたまらず抗議をすると、
ピッピはしごくまっとうな顔で答えた。
「朝の運動はラジオ体操。夜の運動はセックス。これって常識じゃん?」
常識とまではいかずとも、ある意味当たっているから反論できない。
まったく、同棲というものはこうも女性から恥じらいなるものを奪ってしまうものなのだろうか。


78 :77:04/03/06 14:47
被ってしまいました。申し訳ない。
お題は76の「カード」「仏像」「六本木ヒルズ」で。

79 :「カード」「仏像」「六本木ヒルズ」:04/03/06 17:31
俺はまるで鉄人28号を操るように、巨大な仏像を操り、東京を蹂躙していた。
霞ヶ関を壊滅させ、臨海副都心を踏み壊し、六本木ヒルズを完全粉砕。
会社の同僚だった奴らが戦車や戦闘機で応戦してきたが、俺の敵じゃない。
薄汚れた金色の腕で、みんな打ち落としてやった。いい気味だぜ。
仏像の足元で、別れた女が命請いをしていたが、完全無視。ミンチにしてやった。
何が愛してる。殺さないで、だ。今さらしらじらしいんだよ。
ラーメン屋消費者金融公園カード会社ホテルキャバクラデパート区役所ヤクザの事務所etcetc!!
俺の関わった人間や建物を、俺はみんなぶっ潰した。
荒野と化した東京で、一人佇んで大笑いしていると、


目が覚めた。


ほっとする、けれど、どこかうしろめたい感じのする、実家の部屋の布団の中で
俺は、東京で体験した辛い出来事の数々を思い出し
泣いた。


次のお題は
「来訪」「冒険」「鉄球」で

80 :岸和田:04/03/06 19:06
「来訪」「冒険」「鉄球」
 僕がこの迷路に入って何日になるのだろう。全くわからない。迷路というものは時間の感覚をも狂わせるのだ。
そもそも僕がこの迷路を見つけたのは、ただの偶然だった。登山をしていたら、道に迷い、さまよい歩いていると(そんなことをするべきではなかったのだ)
立て札とこの迷路の入り口を見つけたのだ。立て札にはこう記されていた。
「来訪者に告げる、この迷路はいつ何時であろうと自由に入って構わない。 冒険の迷路」
と記されていた。僕は迷わずに入った(これもまた大きな失敗であった)。ここを抜ければどこかにつながっていると思ったからだ。
僕はいちおう壁に手をついて移動することにした。こうすれば、大抵の迷路は出口にたどり着けるー。そう思って。
・・・甘かった。迷路はあまりに広大だった。壁は厚く、そして堅かった。高さは軽く7メートルはあった。
そして、僕の予想ははずれたようだった。常に壁に手をついていても、出口にたどりつくことの出来ない迷路というものがあるのだ。
 そして何日か経ち、僕はまだ歩きつづけている。壁はいつまでも変わることなく、そこにあった。
くらくらした。がくり、と膝を折り、座り込んだ。もう嫌だ。僕は地面に体を投げ出した。
・・・何か轟音がしたような気がした。鉄球を都心に落せば、こんな音がするのだろうか。
僕は体を起こし、辺りを見た。目を疑った。出口がすぐそこにあったのだ。
僕は立ち上がり、出口へ走っていった。ああ、これで家にーーー・・・
 足を止めた。そこにはなにもない真っ白な世界があった。僕は辺りを見回した。
あたり一面、真っ白な空間が広がっていた。迷路もなぜかなくなっていた。それは完全な無の世界だった。

 「ギター・ケース」「改造銃」「ダーツ」
 


81 : 「ギター・ケース」「改造銃」「ダーツ」:04/03/06 21:28
「あなたさっき路上弾きのギターケースに10円投げましたよね? 次にあそこに
 金入れた人をこのゲームに招待しようって、僕が勝手に決めたんです」
理不尽なゲームに招待され憤慨し、詰問したらこんな返事が返ってきた。今右手に
ハンドガンを持った少年に先刻「おいしい話があるんだけど」と言われノコノコ付いてった
のがまずかった。寂れたバーに招じ入れられダーツをするように脅迫される。
逆らえば躊躇うことなく発砲すると、仰々しく言われ仕方なしに。ルールは簡単だとさっき説明された。
的に矢がさされば俺の勝ち。景品は俺の命。
はずしてしまえば少年の勝ち。俺は撃ち殺される。
俺は右耳の横に矢を構えた格好で、硬直していた。少年は自分のハンドガンを眺めて
悦に入ってる。
「はやくなげてくださいよ。それじゃ僕の自慢の改造銃が使えないじゃないですか」
生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされている俺を嘲弄してきやがった。畜生・・・・・・。
とのみち投げないことには始まらない。的との距離は5メートル程ある。俺は矢を的に目掛け
て手放した。次の瞬間、俺が手放したのは矢だけじゃなかったことを床に転がる矢が語っていた。
「はずしちゃったね〜。残念賞の鉛球をあげるよ」

次のお題は
「腕時計」「モップ」「合コン」
でお願いします。 

82 :「腕時計」「モップ」「合コン」:04/03/06 23:34
 東京駅のトイレで、液体につけられた左腕が見つかった。
用具入れの中、モップの柄にビニール袋でつつまれ縛られていたのを掃除婦が見つけた。
その腕は俺の友人のものだ。細い腕に大きなカルティエの時計をはめていたのが印象的だった。
「その時計、パシャ?」
 彼女は満面の笑みで、そう、と言って腕をつきだした。誕生日に両親にねだって
買ってもらったと言った。
 話し下手で、酒の飲めない俺にとって、合コンはあまり楽しいものではなかった。
それでも佐藤に熱心に誘われて参加した。俺は時計店でバイトをしていたので、
自然に話かけることができた。彼女とは恋人と言うほどでなかったが、それでも、
一緒に映画を観たり、食事をする女友達だった。俺は彼女の誕生日に思い切って指輪を
プレゼントした。彼女の好きなカルティエのオープンハートだ。
 トイレで見つかった左腕の薬指には、俺のプレゼントした指輪がはめてあった。
やがて指紋が照合され、彼女、中村由紀子のものであることが警察によって確認された。
 俺はこれから会う男と犯人を追いつめることになる。西新宿のタバコ屋の男だ。
新宿最大のギャング、フレアーズのリーダーだった男で、彼女の兄だ。


次のお題は
「マウス」「ネイティブアメリカン」「砂鉄」
でお願いします。


83 :名無し物書き@推敲中?:04/03/07 00:23
VSさん、出てきてよ!

84 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

85 :名無し物書き@推敲中?:04/03/07 00:24
VSさんがいないバキスレなんて・・・耐えられないよ!

86 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

87 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

88 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

89 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

90 :名無し物書き@推敲中?:04/03/07 02:07
ゼロから物を作り出す事の出来ないヘタレの巣窟だな、ここは。

91 :「ギター・ケース」「改造銃」「ダーツ」「腕時計」「モップ」「合コン」:04/03/07 04:07
 交番の前に人だかりができている。俊郎はタクシーを止めようと上げかけた
腕を下ろし、交番前の野次馬群に加わった。
 一人の警官が必死に群集を追い払っている。警官の足元には黒いギター・ケースが
落ちていた。
 中に爆弾が詰まっているとか改造銃にでもなってるとか、俊郎の妄想をよそに
警官がケースを交番の中へと蹴り飛ばした。あの扱いからして、どうやらごく普通の
ギター・ケースのようだ。
 警官も交番の中へ入り、ドアを閉めた。野次馬が三々五々と散っていき、俊郎一人が
残った。溢れる好奇心を抑えることができず、おそるおそる交番の扉をノックした。
ガチャリとロックの外れる音がして、先ほどの警官が顔をのぞかせた。
「なんじゃい!」
「いやあの、さっきのギター・ケースなんですけど、一体あれは…」
「貴様かー!」
 警官の表情がみるみる凶相へと変わり、腰のホルスターに手が伸びた!俊郎に
突きつけられた右手には、しかし拳銃ではなくダーツが握られていた。
 とっさに身構えた俊郎だが、一介のサラリーマンが護身用の武器など持っている
筈もない。今さら弁解など聞いてくれそうもないし、何とか言い逃れるしかないと
俊郎は話をでっちあげることにした。
「そ、そうじゃなくて、そのギター・ケースの中にもしかしたらウチの社長が
閉じ込められてるかもしれないな、なーんて…」
「貴様、こいつの部下かー!」
警官が掃除用のモップでケースを力一杯小突いた拍子に、ケースのロックが壊れて
蓋が開いた。中には本当に社長が蹲っていた。後生大事に拳銃を抱えている。
「このクソジジイ、本官の道案内が気に食わないとかほざきおって、本官の拳銃を
奪ってギター・ケースに篭城しやがった!逮捕だ逮捕!部下の貴様も同罪だ!」
「だって俊くん、この警官ひどいんだよ!俊くんと一緒に行くはずだった合コンの
場所が分からないと言ったら、ワシも連れてって警棒でグリグリさせろって…」
「そ、そんなことは言っておらん!貴様のような奴はこうだ!たー!」
「猪口才な!こちとら社長で便所のモップさばきはお手のもんじゃ!あちょー!」
 俊郎は腕時計に目をやった。そろそろ合コン開始の時間だ。ダーツとモップでバトルを
開始した二人のバカは放っといて、俊郎はさっさと会場へ向かった。バイバーイ。

92 :「ギター・ケース」「改造銃」「ダーツ」「腕時計」「モップ」「合コン:04/03/07 04:09
>>91
前半15行で前々回の3題、後半16行で前回の3題。こういう形なら
30行オーバーでも許されますかね?とにかく行数制限いっぱいに書かないと
気がすまない性分なんであります。ゴメンナサイ。

次は「ダンプカー」「オアシス」「チンパンジー」で。

93 :「ギター・ケース」「改造銃」「ダーツ」「腕時計」「モップ」「合コン:04/03/07 04:17
申し訳ない、一つ気づいたこと。
ギター・ケースのロック、外部から開けるもんですよね。警官は
どうして普通にロックを外さなかったんでしょう。社長が内側から
一生懸命蓋を押さえていた、ということにして下さい。

それでは、失礼いたしました。

94 :岸和田:04/03/07 17:22
「ダンプカー」「オアシス」「チンパンジー」
 広大な砂漠を、一台のダンプカーが走っていた。オアシスを求めて。
「ちっ、なんも見えやしねえ、冷たい水とヤシの実でもないもんかね。ん・・うおっ・・あ?あれ?」
大きくブルンとダンプカーが揺れると、ぷすん、ぷすん、と妙な音がしてダンプカーは動かなくなった。
「ちいいっ!何で止まりやがるんだ、チクショー!」 
仕方なくダンプカーを降り、ダンプカーの後ろに回ってみた。しかし次の瞬間、彼の意識はなくなっていた。
後ろから2人の男が走ってきた。男はため息をついて言った。
「くうっ、このクソチンパンジーめ、世話かけやがる。めちゃめちゃ賢いっつうのはホントだな。しゃベリやがるしな。それどころかクルマ運転して研究所から逃げやがった!おい、麻酔が切れるまえにロープで縛っとけよ・・・」

95 :岸和田:04/03/07 17:25
すいません、またお題忘れてました・・
「雨」「ベンチ」「ロケット・ランチャー」でお願いします

96 :ddt ◆OK6jfumzas :04/03/07 22:14
「雨」「ベンチ」「ロケット・ランチャー」

雨が、やまない。
馬鹿みたいに降って、表に出したままのベンチも、急ごしらえの砂レンガの家も皆泣いていた。
背後では女子供たちが寄り合って、必死に空を眺めている。
それでも雨はやまなかった。

三日前、偶然にとんでもないカードを引き入れた。襲撃した敵の輸送部隊が偶然運んでいた自走ミサイル。
馬鹿みたいな火力を持ったそれは、まさにそのまま一発逆転の切り札だった。
少なくとも、首都を前にして膨れ上がった敵部隊を、強烈に足止めする位には役立つ。
唯一、GPSがオンボロくて、天候によっては使い物にならない点を除いては。
だから昨日整備し終えたときには、これで少なくとも体勢の建て直しが出来ると喜んだ。
天気だって確認した。虫も殺さなかったし、神への祈りだって欠かさなかった、それなのに――

無線係が建物から飛び出してきて耳元で囁いた。総司令部が落ちたらしい。
俺は何も言わず空と、その上に居座る何かを睨みつける。
同時に、手にしていたロケット・ランチャーを肩に構えた。トリガーを引く。
弾は赤い火線を引いて、天に渦巻く濁流に呑み込まれていった。
雨雲は少しも晴れなかった。



次は「模型」「春」「自動販売機」でお願いします。

97 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 00:17
四つ足模型で光線を放ち、時として繊維組織を着火させ、
深刻な火災をしばしば発生させていると報告されている。
その危険性が熟知されているにもかかわらず
安らぎを得たいが為だけに金に物を言わせて
自らの物とし、利用しようとする者が後を絶たない。

その進化の歴史をひもといてみると
春においては地球環境に影響を与える存在であったのである。
人間の酸素摂取を妨げる物質を発生させ
死に至らせるという能力を持った種が大多数であったという。
過去に存在したこのタイプがいまや絶滅寸前なのは
絶えまざる研究のたまものである。

そんな危険性を持っているにもかかわらず
業者から金に物を言わせて入手した挙げ句
あまつさえ一緒に睡眠をとって安らぎを
感じてしまった私も人のことは言えない…
これが自動販売機の恐ろしさなのか…


「実験」「麻雀」「抄」

98 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 00:43
自殺するための睡眠薬を買いにいくため、近所の通りを歩いていると、
20メートルくらい先、模型屋の横に見慣れない自動販売機を見つけた。
まっピンクのボディに白抜きで大きく「春をあなたに」と書いてある。

ほほぉ、万年冬の人生を送り、ミスター永久凍土と呼ばれたこの俺に
「春をあなたに」とは、面白い。
その挑戦受けてたとうじゃないか。ま、俺の氷を溶かすなんて無理だろうけどね。

なぁんてことを思いながら、俺は足早に自動販売機に近づき、千円札を投入、
すかさずボタンを押した。すると、3秒もたたないうちにドスンとモノが落ちてくる。
かがみこんで手にとってみると……


「生撮り!おうちで絶叫オナニー」


……あぁ、なるほど。「春」を「売って」るンですかそうですか。

はじめっから期待はしてなかったはずなのに、俺はなんだかひどく落胆した。

その夜、俺は買ってきた睡眠薬をオレンジジュースで割って、一箱全部飲み干した。
そのとき、「あの自動販売機が本当に春を売ってくれていたら俺は死なずに済んだのかな?」
と自問自答したが、答えが出る前に、俺の意識は遠ざかっていき、二度と帰ってこなかった。


次のお題は
「リング」「らせん」「ループ」


99 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 00:44
荒らしている方へ

何を勘違いされているか分かりませんが、
ここは見て分かるように「特定の人が文章を書いている」のではなく、
「不特定多数の人が文章を書き落としていく」スレです。
厳密には「住人」と呼べるほどの馴れ合いもありませんし、
VSなる人物も「たまたまこのスレを利用したひとり」でしかありません。

貴方がしていることは、コンビニに行って個人の自宅の場所を聞いているのにも等しい行為です。
店員が客の住所氏名・電話番号を知っているわけはなく、完全にお門違いなわけです。

尚、これ以上スレッドの進行を妨害する場合は削除・規制依頼等をさせて頂きます。

100 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 00:44
ギャワー、被った。
お題は>>97

101 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 01:04
>>99
例えが酷すぎる
コンビニってw

ここにいるのは確かなんだよ
そろそろ本人が登場するらしいから、俺のお払い箱だがな

102 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 01:05
VSさんが降臨したら、粗相のないようにしろよ

103 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 01:07
あと聞きますが、迷子のアナウンスは荒らしですか?
あれがないと困る人、たっくさんいると思うんですがねぇ
自分に有利な例えで人を論破しようとしてもムダだっつのw

104 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

105 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 03:17
高田延彦はリングに咲いたまばゆい華であった。彼だけが、他のプロレスラーと違っていた。

忘れもしない、高田対北尾光司戦である。
そのころ私はまだ成人しておらず、テレビの中のプロレスだけが私のプロレスであった。
北尾は元横綱という抜群の知名度もあって、メジャー団体、
新日本プロレスに何度か参戦し、並み居るレスラーを得意の
裏投げで豪快に投げ飛ばし、勝敗はともかく、そのインパクトは凄まじかった。
北尾最強。観戦歴の浅い私はそう思った。
その北尾が敗れたことを知ったのは専門誌でだった。
しかもKOによる完敗。対戦相手は……高田延彦。
信じられなかった。私にとって高田はテレビに映らない、マイナーな団体の
トップレスラーという認識でしかなかったのだ。
しかし、成人して、自分の趣味に使えるお金を稼げるように
なってから購入した一本のビデオは、私を納得させるに十分の説得力を持っていた。
高田のパワーをらせんのように収斂したハイキックが側頭部に命中し、
崩れ落ちていく北尾。彼の裏投げの、何倍ものインパクト。
勝利に熱狂する高田、そして場内。私は遅く生まれてきたこと、
田舎に生まれたことを恨めしく思った。なぜこの場に居合わすことができなかったのか。

時代はループする。今、格闘技界、プロレス界で最も人気のある選手は、
桜庭和志、高山善廣の両名であろう。二人とも高田の弟子筋である。
本人が引退してなお、高田延彦という華が落としていった種に、リング上は支配されているのである。

次は「超」「っていうか」「百人一首」の三語で。

106 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 04:43
「人が忙しいの分かってるのに麻雀に誘うなっ!」コータは携帯電話にそう言葉を叩きつけると、
有無を言わさず通話を終了させた。彼は焦っていた。月曜日までに提出しなければならない
大切なレポートが完成していないのだ。もう二日間、ほとんど睡眠もとらずに必死にレポートを
作成している。携帯の電源を落とし、彼は再びパソコンと向かい合う。そして、もう少しで完成という
時に、問題が発生した。大事な実験結果のデータを書きとめておいた紙がどこを探しても見つからない
のである。コータが困り果てていると「困ってるようだな」と、突然、背後から声がした。彼が驚いて
振りかえって見ると、そこには白ずくめの男が堂々と立っていた。コータが何も言えないのを見た男は、
顔に優しい笑みを浮かべ「俺は怪しい奴ではない。お前を助けてやろう」と言った。普段ならば間違いなく
警戒するはずだが、限界に近いコータにはその怪しい男の言葉が天使の囁きに聞こえた。
早速、コータは男に簡単に事情を話した。すると、男は部屋の隅に山積みなっていた本の中から
迷うことなく一冊選んだ。「その化学抄報の中だ」コータがすばやく確認すると、探していた紙があった。
一瞬、驚いたコータだが時間もないのですぐさまデータの確認に入る。そんな時、男が言った。
「報酬に、お前が今一番大切なものをいただくが?」その男の問いに作業に集中していたコータは、ただ短く「あぁ」と答える。
男はニヤリと笑うと徐々に空気に溶けていったが、完成間近のレポートを必死に仕上げるコータは気づかなかった。
数十分後、レポートを完成させたコータが携帯の電源を入れると日付は何故か火曜日になっていた。

次は「恐竜」「遺伝子」「シルクハット」でお願いします。

107 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 04:52
深夜だからとおもってリロードしなかったら(つД`)
次のお題は105氏のものってことで。

108 :105:04/03/08 06:56
いや、俺が悪いよ。98氏がカブってるからお題継続って
言ってるのに俺が見てなかったのが悪い。
106氏のお題で。

いや、次書く人が書きやすい方でええのんと違うかなあ?

109 :名無し物書き@推敲中?:04/03/08 21:34
俺は、気づけば不利な状況だった。っていうか、絶体絶命ってやつだ。
目の前にいるのは我らが宿敵、轟剛(トドロキ・ゴウ)。
こいつのおかげで世界征服という野望は困難を極めている。
何しろ、こいつの能力は超反則的だ。
古代の恐竜の遺伝子から発見された不思議な力によって
常人の100倍のパワーの超人に変身するとか、ピンチに
なったらシルクハット被ったへんなおっさんを召喚するとか……。
まじめに戦ってる自分が馬鹿らしくなってくるね。
せっかく、正々堂々対決してるのにさ。百人一首で。

お題は「夢」「小人」「大人」で。

110 :「夢」「小人」「大人」:04/03/08 22:08
「子供みたいな人だ」と、よく言われる。
自分でもそう思う。喜怒哀楽が顕著だったり、40歳なのに一人称が「僕」だったり
道端に転がる石ころを家に持ち帰ったり、などなど、思い当たる節は多々ある。まるで
子供の心を持ったまま大人になってしまったみたいだ。
ただ、僕は分別や良識をちゃんと持っているので「よくできた子供」だと自己分析している。
身長が低い所為もあって、職場の同僚からよく「小人部長」と揶揄される。
「大人になっても虹を見ているのね」
一度、妻が微笑みかけながら言った。いつまでたっても夢を追いかけるあなたは素敵よと、その
あと付け加えられた。
僕は小説家になりたいのだ。なれないかもしれないけどなってみせるんだ。
妻の応援をもらって、今夜も執筆に励んでいる。

次のお題は
「共鳴」「流れ星」「嘘」
でお願いします。

111 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 00:09
 私は居間に集まって故人を偲ぶ親戚たちに遠慮して、縁側に出て煙草を吹かしていた。ぼそぼそと話す声が障子を通して聞こえてくるが、それより悲しみに共鳴したような、竹薮が揺れる音の方がずっと大きい。静かな夜だ。
 見上げれば、墨を流したような空を横切るように、奔流のような星が瞬く。五年ぶりに、お袋の田舎にやってきたのが祖父の通夜だからって、星の輝きには関係ないらしい。
 小学校低学年の頃だったろうか。祖父は達筆で、私は学校の先生の誰もが指摘せずにはいられないほど字が下手だった。そこでお袋は、「おじいちゃんに習ったら」と、祖父に電話してくれた。少しして、私は電話口に出た。
「広くん、ちゃんと続けるかい?」
 私はうん、と言った。その三日後、黒々として丁寧なひらがなが並んだ和紙が届いた。そこから覚えがない。一度もそれを書いて祖父に提出しなかったことだけは確かだ。私は祖父に嘘をついた。
 祖父は優しい人だった。これも餓鬼の時分、クワガタを採るのを楽しみに、家族に連れられてここにやってきた私は、翌朝どしゃ降りの雨に見舞われて断念せざるを得なくなった。憮然と雨で煙る竹林を眺めていた私をよそに、祖父はふらりと傘を差し、何も言わずに出ていった。
 一時間ほどして戻ってきた祖父の手には、瓶がひとつあった。中には一匹のミヤマクワガタがいた。私は驚喜したものだった。親父が祖父に、何度も礼を言ってたのを思い出す。
 思春期を迎えてからは、祖父の実家には行かなくなった。人がいずれ死ぬものだと知っていれば、行っただろう。
 流れ星がひとつ、頬を伝った。


「くるぶし」「愛」「ムービースター」

112 :111:04/03/09 00:16
しもうた。

×祖父の実家には行かなくなった。
○祖父の家には行かなくなった。

113 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 00:19
今日からは下手に出ましょう
ワタシはこのスレ内では初心者ですからね

VSさん、いませんか?

114 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 01:19
隣の家に住んでいたユキちゃんという女の子が、映画に主演することになった。
先日、どこだかの大きなプロダクション主催のオーディションに合格したらしい。
身近なムービースターの誕生に、ご近所一体は沸いていた。
皆ミーハー心からだけでなく彼女への愛によって、ユキちゃんのことを応援していた。

彼女は取り立てて顔が可愛いかったり、スタイルがよかったりするわけではなかったけれど
なぜか人の注意をひきつける存在であった。
彼女とかかわった人は皆、喋り方や笑い方からくるぶしや爪の先まで
彼女の全てをもうどうにもこうにも可愛らしく感じる。
まるで義務であるかのように、皆だ。

この感情は何なのだろう、と考えてみる。
恋。
それが一番近いのではないだろうか。
彼女にかかわった人々は全て、彼女に恋をしていたのかもしれなかった。


次は「雪」「うろ覚え」「時計」でお願いします。

115 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 01:58
「雪」「うろ覚え」「時計」


「嘘つきやがって、こんちくしょう」
 松岡はダークスーツの袖をめくり、それから短くなった咥え煙草が猛烈に眼に染みたらしく、それをつまんで新雪に叩きつけた。
「何が午前中一杯は晴れ、だ。税金泥棒どもが」
 彼はしんしんと降る雪を親のかたきとばかりに睨みつけ、腕時計を手袋で覆うと、急き立てるようにワゴンに乗ったまま出ようとしない部下たちを引きずり出した。
「おら、お前ら! 俺たちはまんまと気象庁の税金泥棒どもに騙された訳だが、と同時に、俺達も税金泥棒になっちまう危機に晒されたって訳だ。いいか、昼までに二時間ある。それまでに凶器を探し出すんだ!」
 ぞろぞろと出てきた捜査員たちはそれぞれ鬼上司の前という制約の中で目一杯の悪態をつき、それから高架橋の下へと続く階段を下った。一人が脚を滑らせ、隣の捜査員に持たれかかったのを見て、松岡の苛立ちはますます強くなった。雪は待ってはくれないからだ。
「松岡警部、捜査本部から無線です」
 松岡は振り向き、運転手から無線をひったくって口元へ寄せ、耳の遠い老人を相手にしているかのように声を張り上げた。
「いったい高崎のゲロはどこまで本気なんですかね、警視? 信濃川のどこかに捨てた、後は忘れただって、そんな供述は捜査の霍乱に決まってます、見え透いているでしょう?」
「まあまあ、松岡君。落ち着き給え」無線の返事は、まるで他人事のようだった。
「ついでに一つ言わせてもらいますよ」松岡の憤りは止まらない。彼はひとつ深呼吸すると、溜めこんだ息を一気に吐き出した。「凶器は『鮭のあら塩』、新巻でなくて粗塩? なんすかそれ。検死担当者に変わってもらえますかね?」
「その必要はない。うろ覚えだな君も」予告なしに無線は怒号に変わった。「凶器は『シャープ製のラジオ』だよ!」


「たくあん」「潅木」「セリ市」

116 :「たくあん」「潅木」「セリ市」:04/03/09 13:51
 山道の真ん中に、潅木が一本生えていた。丈は大人の肩くらい。色は枯れ色、葉花は皆無。
細い幹から、か細い枝が、寒々しくも広がっている。
 さて、花も葉もないその潅木だが、実のようなものが成っていた。
色は黄土でしわくちゃで、形は蛇の尾っぽのよう。丈は潅木の半分以上。
言ってしまえばたくあんだ。実にみょうちくりんな実であった。
 潅木の目の前には看板が立っており、「死ぬ故、この実、食わすべからず」と書いてある。

 ある日、男が一人潅木の前を通りかかった。男はその木に目を留め足を止め、そこにある
看板とたくあんみたいな実をしげしげ眺めると、その実をぶちっともいで帰途についた。
 男は自分の知り合いに、旅の土産のたくあんだと、包みを一つ手渡した。
遠くの町のセリ市で、声を張り上げ買ってきたのだと恩着せがましく付け足した。
 さて翌朝、その知り合い宅に医者と警察が詰め掛けた。彼は朝食に例の実を食ったらしい。
 すぐに男の家へ警察がやってきた。神妙な顔つきで対応する男に、警察は事態を説明した。
「最近ここらでは毒殺が多いのだ。だが毒殺は複雑で犯人がわからんのだ。そこで、
 山道の真ん中に警察へ通報するようメッセージを埋め込んだたくあん一本、毒と偽る
 看板つきで仕掛けておいた。食った奴は無事だがお前は死刑だ。毒殺抑止の一環なのだ」


次は「大好き」「純粋」「胸が」でお願いします。

117 :「大好き」「純粋」「胸が」:04/03/09 15:46
 部屋にタバコの煙が詰まっていた。窓は閉めたまま。コタツに足だけ突っ込んで、
タバコを吸う以外、動く素振りもない。灰皿に吸殻の山。動かす手さえ、眠そうに、眠そうに。
 なんだ、来たの? も、コンニチハもない。「1日中そうしてるのか?」
 まあね、という風にタバコを持った手をわずかばかり挙げる。失恋3日目から、5日ほど放っておいた。
手に負えませんよ、と。最初の2日間もだいたいこんな感じだったから、少なくとも5日間のうちには、
まともなことはなにもなかったということだろうと思う。
 タバコ、どうしてるの? と訊いてみた。まあ、タバコを買いに出ているのなら、ちょっとくらい救いがある。
なんにもしゃべらず、タバコのことを思うと、胸が苦しくて、苦しくて、と言わんばかりに、首を傾げて、
また新たな1本。
 純粋だねえ、と馬鹿にしたような声。思ったより、自分の声がこいつのことを馬鹿にしている。
こいつは、好き好き、とか、大好き、とか、超愛してる、とかひょっとして、言ったりしたんだろうか? 
ちょっと、笑える。笑えるけど、さすがに訊けない。
 叫んでみれば、とか言ってみた。とりあえず、なんにも応えない。間が持たないので、もう1回、
ホントに純粋だねえ、と継ぎ足して言ってみた。ひとりになりたいとも言わない。
なんか言おうとして、やめて、とりあえず窓を開けた。


「星」「尾っぽ」「沈黙」

118 :「大好き」「純粋」「胸が」:04/03/09 16:48
 私たちが道を歩いておりますと、向こうからどんがらちんちんと騒々しい音が始まりま
した。
 何事かと驚いたのでしょう。私の手に包まれた小さな握りこぶしにぎゅっと力が込めら
れるのを感じました。ゆっくりとした人の流れに沿って近づいているのですが、やはり賑
やかな太鼓の音にひきつけられるのでしょうか。早くその正体を確かめたいと、私の手を
振り切ってでも駆け出しそうな勢いです。
 離してはなるまいと引き寄せるのですが、振り返って見上げてくる小さな瞳は、私を責
めるでもなく、ただ純粋な好奇心に駆られてきらきらと輝いています。
 いよいよその音の正体にまで到着しました。艶やかな色の着物におしろい塗りの顔、結
い上げた髪で平太鼓を叩く娘さん。唐傘のついた木枠に収まったいくつもの太鼓を叩いて
おちゃらけるちょんまげ姿のお侍さん。あっちでちんちん、こっちでどんがらと囃してい
ます。
 隣のおちびさんは異装の集団をすっかり気に入ってしまったようで、足元を見ると調子
を合わせているではありませんか。ああ、私の幼き頃も同じように胸が躍る心地であった
なぁ、などと感慨深くなります。
 帰り道、先程の囃子を真似てちんちんがらがらと歌っている孫がおかしくて「そんなに
ちんどんやさんが気に入ったのかい」と尋ねてみました。すると孫は誇ったような顔で
「うん、大好き。おっきくなったらちんどんやさんになる」と答えるのです。

私が小さかった頃も、祖父に連れられて見にいった帰りに同じ事を言ったなぁと長く伸び
た私たちの影に思った一日でありました。


時間かかりすぎな罠。

119 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 18:26
【バキ】漫画SSスレへいらっしゃいpart12【スレ】
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1075538328/l50

VSさんの故郷です。よかったら皆さんもこのスレでSS書いてみませんか?

120 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 19:23
星がひとつ流れた。一筋の残光が目に残った。
夜空は沈黙している。足下で待ちくたびれた犬が吠えた。わん。
尾っぽを振って散歩の続きをせがんでいるのだろう。
飼い主であるぼくに潤んだ目をきらきらとさせる。ぼくは犬の脇腹を
つま先で蹴り上げた。犬は弧を描いて3メートル向こうへ飛んでいき、
すぐに体制を立て直そうとするが肋骨が折れたのかなかなか立ち上がることができない。
ぼくは腰に挟んでおいたグロック17を緩慢と抜き、その銃口を犬に向けた。
「ミスター、リハビリがんば!」と叫び、人差し指を2回しぼった。
ずきゅーんずきゅーん。きゃいん。

「臀部」「ビートルズ」「ドデカホン」

121 :名無し物書き@推敲中?:04/03/09 21:03
>>119
これ以上スレが低レベル化するのは見てられない。
余計な奴ら引き込むなよ。

122 :感想なしでお願いします。 M:04/03/09 23:49
何が流行の最先端だ。あんなものが音楽と言えるか!
最近の音楽業界は何だ、ひっぷほっぷだの、らっぱーだの、訳の分からないものが増えて困る。
あんな物は音楽じゃない、只の音の垂れ流しじゃろうが。
やかましくて、いらいらする。犬が吼えとるのと変わらんじゃないか。
しかもそれを、ドデカホンとか言う馬鹿でかい音のする機械で流しよる。
わしがショック死したらどうするんじゃ。
名前も悪い。HIPHOPとは何たる破廉恥な。日本語にすると跳ねる臀部じゃぞ?
嫁入り前の娘さんが、尻を突き上げるような音楽に夢中になるとは何事か!
だいたい、びーとるずが悪い。低俗な音楽を本流にしてしまいよった。
あいつらのせいでわしの大好きな、高尚で清冽なメロディーが消えてしまいよった。

なによりわしの大事なばあさんを、夢中にさせたのが気に食わん。
ああ、ばあさんや、そのまま行くと転んでしまう、落ち着いてくれ・・・。

次は「カーテン」「ゴム」「電柱」でお願いします。

123 :「臀部」「ビートルズ」「ドデカホン」:04/03/09 23:58
衣替えの季節。
押し入れの中の収納ケースを漁っていると、変なデザインのホットパンツが出てきた。
臀部の位置に2つスピーカーが付いているのだ。

こんなの買ったっけな?
とりあえず履いてみる。良かった、まだ入る。
背後で姉が「ぶっ、ドデカホンみたい」と笑った。
うるさい、行かず後家。自分だってケツでかい癖に。

パンツの裏には大きめのタグが縫い付けられている。
『バッグポケット部分にお好きなCDを入れてください』
私は適当なCDを後ろのポケットに入れた。
一歩あるく。『Lo〜ve』 もう一歩あるく。『Love me do〜』
歩く度にCDが再生されてスピーカーからビートルズの曲が流れた。

私は楽しくなって、しばらく家中を練り歩いた。
ソファでひと休みしようと腰掛けた瞬間、尻の下で軽い音を立ててCDが割れた。
そうだった。このパンツを買った時も同じ失敗をしたのだ。
二度と履くまいと収納ケースの奥にしまわれ、そして忘却の彼方へ……。

こうしてスピーカー付きパンツは再び封印された。


お題は>>122氏ので。

124 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 00:12
感想文スレ、新スレです。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1078844906/

125 :「カーテン」「ゴム」「電柱」:04/03/10 01:28
 夜の女神が私を問いただす。
 最大限に姿を現した女神の放つ光は、曖昧な気持ちのまま眠る私を許さなかった。カー
テンを閉め忘れた窓から、私を容赦なく照らしだし、心の奥底に沈めた疑問を再び浮かび
上がらせる。
 ほんの数時間前、真っ暗な室内で交わされた愛の囁き。突然の電話一本で、私に遅めの
夕食の準備をさせた男。先週から電灯のきれたままの電柱に寄せて、慣れた動作で車を止
めた男。あわただしく食事を平らげた後、そのままベッドに押し倒してきた男。事が終わ
るとすぐにスーツを着直して、謝りながら帰っていった男。ずっと一緒に居たいといいな
がら、一度も泊まっていったことのない男。

 貴方は本当に私のことを愛しているの? 
 もしも引き返せないようなことが起こったら、貴方は私を選んでくれる?
 満月が人の心を狂わせるって本当かもしれないわね。
 ねぇ、気付いていて? さっき貴方が使ったゴム、針の穴が開いていてよ。


「へびいちご」「展示」「人影」

126 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 10:58
>>121みたいなのを見ると、本当に殺したくなる
クズが

127 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 11:20
>>121は俺の画面にはもう映っていない。あなたも映らないようになさい。

128 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 11:59
私は今、山の中にいる。
友人達と登山に来たのだが、その途中ではぐれてしまったのだ。
体力は尽き、気力も尽き、食料も底をついた。
常人ならば絶対食べないような、ハチの幼虫、へびいちご、樹液などで飢えを凌いだ。

やがて、私は一般人に見つかり、保護された。
「現代に生き延びていた野人」として、博物館で展示されるのだそうだ。
不本意だが、仕方ない。
毎日のように私を見物しに客が詰め掛けた。悪くない気分だった。

しかし、蜜月の日々は長くは続かなかった。
見物人は徐々に減っていき、人影は疎らとなっていったのだ。
お払い箱となった私は、とうとう解剖されるらしい。
麻酔が打たれた。
薄れゆく意識の中、私は「これが流行の仕組みなんだな」とふと思った。

「傀儡」「コーヒー豆」「雲散霧消」

129 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 18:35
 それは浅い夢だった。想念だけでも夢を見るとは知らなかった。破片を一つ一つ拾い集
め、とうとう、俺はひとつになった。想念のか・ら・だ、現実には身体は無かった。
 コーヒー豆に熱湯を注ぎ入れる時の香ばしい匂いが漂ってくる。その懐かしい香りを無

い身体が求めて、ふらふらとテーブル上のカップを掴もうとする。そう、俺は掴もうとし
ていたのかもしれない何もかもを……
 俺がこの地に身体を持って生まれた時には国は内戦につぐ内戦で安定した政府はなかっ
たそんな時代を俺は少年期、青年期と過ごしある友は戦いに疲れ国を捨て、ある友は戦い
に血を捧げた。戦闘訓練の合間、腰にぶら下げた、ぼこぼこにへこんだマグカップに熱い
コーヒを注いでくれた友がいた。その友も死んだ。
 それから、数年が経ち俺は指導者として戦闘を指揮していた。その頃の俺は権力という
ものの本質を理解していなかった。アメリカはそこを突いてきた。アメリカの肝いりでこ
の国に俺は傀儡政権を打ち立てた。それからの俺は権力というものに振り回された。この
手に何もかも掴めると錯覚していた…… しかし、今はコーヒーカップすらこの手に掴め

ない。乾いた銃声が響き、一発の鉛が俺の身体に入った瞬間から俺の意識の霧がさあっと
引くように雲散霧消したかと思うと破片となり散らばった。それは浅はかな夢だった。

次は「メロディー」「雨音」「一日の終わり」でお願いします

130 :岸和田:04/03/10 19:13
「メロディー」「雨音」「一日の終わり」
 「ええい、ふざけるなあああ!!!!」
中年の男がものすごい剣幕で怒鳴った。右手には、拳銃。
「あら、何で浮気しちゃいけないのかしら。あなたは仕事ばっかりで私に構ってくれないじゃない。」
今度は若い女の声。右手には、煙草。
「うるさい!お前というやつは!俺が仕事で疲れて家に帰ってくると、お前の喘ぎ声がする、驚いて家に入ってみれば、こんな男と」
そして中年の男は、パンツ一丁で正座させられている若い男を指した。
「いいじゃない、喘ぎ声なんて素敵なメロディーよ。一日の終わりに、妻の喘ぎ声。映画のタイトルみたいよ。」
「ふざけるなあ!お前というやつは、お前というやつは!!死んでしまえ!!」
中年の男は拳銃を女に向けた。その顔は、怒りに満ちていた。
「その引きがねを引いたら、二度と口を聞いてあげないから。」
女は煙草をふかしながらそう言った。
「ふん、まあひとつ聞いてやろうじゃないか。まあわかりきったことだがな。お前は・ここで・なにをしていた?」
「息よ。呼吸してたの。」
「あーー!!もうウルセー!!テメーらの低レベルな口ゲンカなんか聞きたくねーんだよ!!」
若い男が大声で言った。そして中年の男に飛びかかり、拳銃をもぎ取ると中年男と女を撃った。そしてパンツ一丁で外に飛び出していった。
静かになった家に雨音だけが響き続けていた。

 「猫」「鏡」「ポエム」

131 :「メロディー」「雨音」「一日の終わり」:04/03/10 19:37
いきつけの喫茶店が潰れた。仕事帰りの焼肉定食と食後の一杯が、私の唯一の
楽しみだったのに。
窓際のボックス席に一人で座り、窓を叩く雨の音と店内に流れるメランコリアなメロディー
を聞くと心が休まった。食後のコーヒーを飲みながらの煙草で、長い一日の終わりを感じた
ものだった。
寂れた外装、無愛想なマスター、陰気なBGM、どれも大好きだった。
いつ潰れてしまうかと、来る度に思っていた。

私にはもう心休まる場所がない。
木製の扉に掛けられた「閉店」と書かれた小さな看板。
その小さな看板に拒絶されているような気がした。
扉の取っ手を握り、軽く引くと、やっぱり施錠されている。
扉の向こうで、チリン、とベルがなった。

次は
「不条理」「横柄」「しんねこ」
でお願いします。

132 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 19:40

申し訳ない。かぶってしまった。
お題は、前の方の
「猫」「鏡」「ポエム」でお願いします。

133 :「猫」「鏡」「ポエム」:04/03/10 20:01
 激しく降り注いだ雨がようやく気象庁の予報に従いはじめたのは、冷えた身体を温めよ
うとお湯を沸かし始めた後だった。ベッド横の窓から聞こえる雨音はみるみる弱まり、透明
に輝き始めた空に優しいメロディを響かせていた。
 血統ペルシャを父とする雑種猫のポポロンが、鏡の向こうであくびをしている。私は熱す
ぎたコーヒーをすすりながら、先程の診察で言われた言葉を大切に噛み締める。
 
 あの人に伝えたら、どんな表情をするかしら?
 驚く? よね。でもそのあとにもしかして、喜んでくれるかな。
 大丈夫。きっと優しく微笑んでくれるわ。

 ああ、私ったら、まだ2ヶ月といわれただけなのに、いまからこんなに浮かれてしまってどう
しよう。ああ、そうだった。コーヒーは飲んでも大丈夫だったのかしら。聞いておくのを忘れ
たわ。もう少し雨が上がったら、本屋さんに行って――そうね、その前に本を読んで上げ
ましょう。このポエム、きっと貴方も気に入ると思うわ。貴方のお父さんと出会うきっかけと
なった詩集。とても素敵な詩が描かれていてよ。



じゃあ頂いて、次は「不条理」「横柄」「しんねこ」で。

134 :名無し物書き@推敲中?:04/03/10 20:59
>>131
重ねて申し訳ない。
お題の「雨音」を使ってない。「雨の音」って・・・・・・。
「の」を抜いてください。
お目汚し大変失礼しました。

135 :「不条理」「横柄」「しんねこ」桂木 ◆7iyNMigEXc :04/03/11 01:30
 とろりとした陽射しが一間半ほどの店の表を染める午後。奥にある作業所では、茂吉が春の菓子をこしらえていた。
 本町三丁目の菓子屋三好屋。表長屋の店ながら江戸に知られた名物が二つある。
 ひとつは横柄者茂吉。役者ならば千両稼げるだろう色男。切れ長の目、涼しげな顔立ちだが、娘たちが置いてゆく、
思いのたけを綴った付け文を見もせずに捨てているとの、もっぱらの噂。
 今をときめく廻船問屋伊勢屋。そこの一人娘で、母によく似た日本橋弁天、お絹お嬢様の、せいいっぱいの笑顔を
たたえた挨拶にさえ、返事はおろか顔をあげさえしなかったことから、なんという横柄者よと言われるようになった。
 ぎゅっ、ぎゅっと、茂吉の白い手が緑の団子生地をこねる。
 もうひとつの名物は、新芽のよもぎを使った餡かけ団子。
「ごめんなさいよ」小僧を二人ひきつれて、伊勢屋の旦那がのれんをくぐる。
 伊勢屋の旦那はお嬢さんのことがあってからも、足しげく三好屋に通ってきた。
「よもぎ団子は、ああ、あるね。いい春の香りだねぇ。それに、このしんねりした団子の肌は色づいた女の肌のよう
だよ。色事にはてんで興味がない茂吉がこんな春そのものの団子を作るってんだから、世の中ってのは不条理だねぇ」
 いつものように四半時、伊勢屋の旦那は一方的にしゃべっていくと、おかみさんの好物だというよもぎ団子を重箱
いっぱい買い求めていった。
 茂吉は黙って団子生地をこねながら、しんねこになった伊勢屋のおかみさんの柔肌を思い浮かべていた。

 次のお題は「春告鳥」「アップルパイ」「卒業式」でお願いします。

136 :名無し物書き@推敲中?:04/03/11 11:30
 青々とした大地は生命の息吹に満ち満ちている。
俺はウグイス。気取った名で言うなら春告鳥。俺がやって来た。即ち春がやってきたのだ。
去年もここに来たが、何も変わっちゃいねえ。
【〜高校 卒業式】とか書かれたアーチの下を人間どもが通り過ぎてゆく。
人間達は、同じことを繰り返して楽しいんだろうか? 同じ奴らが同じ格好をして……やたら見たっての。

 またしばらく優雅に舞っていると、「おいし〜いアップルパイ屋さん」という店があった。
ちょい拝借……ん? これ、ちょっと違うが、リンゴじゃねえか? 
「アップルパイ」って食いモンじゃねえのかよ。なんでリンゴが入ってるんだ?
リンゴならリンゴとして食やあいいものを、人間ってのはホント分からん。
あー、腹立ってきた。叫んだる。
「あー、ママ見て見てことりさん〜」
「ちいちゃん、あれはウグイスって言うのよ。綺麗な鳴き声でしょ?」
んだよ、綺麗じゃねえっつの。

「茶」「夢」「博愛」

137 :「茶」「夢」「博愛」 :04/03/11 15:15
私の住んでいる町は田舎だ。
市は、海を埋め立て、そこをアミューズメントスペースにして人寄せをしようとしている。
最近そのアミューズメントパークのひとつである「博愛館」が建った。
娯楽のない田舎である。あっと言う間に「博愛館」は人で溢れ返った。

私も妹と一緒に「博愛館」の安っぽいゲートをくぐった。
『愛と夢あふれる博愛館』キャッチコピーまで安っぽい。
会場の入り口に立つマスコットの着ぐるみ「アイちゃん」が、何の動物かわからなくて混乱する。
館内は広くもなく狭くもなく、中途半端な感じだが、天井が高いので開放感だけはあった。

矢印の立て札に沿って歩いていく。
各スペースに小さいスクリーンが備え付けられており、
「愛と夢」をテーマにした映像が上映されている。
妹と意味がわからないね、と話していると、
背後からアイちゃんがやってきて、手でハートマークを作った。
投げやりな愛想笑いを返すと、舌打ちが聞こえた。
びっくりして振り返る。アイちゃんは明後日を向いて知らんぷりしている。

最後のスクリーンを見終えると、係りの人がお茶と書かれた紙コップを差し出した。
「中身入ってないんですけど」 喉が乾いていた私が文句を言うと、
「いいえ、中には夢のお茶が詰まっております」 と係りの人はにっこりと答えた。
その横でアイちゃんが口に手を当てて笑っていた。


お題は「飴」「庭」「柔道着」

138 :名無し物書き@推敲中?:04/03/11 19:16
「飴」「庭」「柔道着」

 窓から外を覗いてみた。朝は真っ白だった市体育館の庭や駐輪場も、大会関係者が続々と集まってくるにつれて出来そこないのキャラメルみたいに汚れてしまったようだ。
 視線を転じ、対戦相手を見る。藤山中の三年、海藤はさしずめ、柔道着を着た禿鷹だ。つるっぱげに、猛禽類のような眼差しで俺を睨んでやがる。年季の入った、スレた黒帯が、奴に精悍な雰囲気を加えていた。
 俺はサムライハートを持っている。フェアプレイで畳に沈めてくれる――と思ったとき、奴が口のなかで何かを転がしていることに気づいた。
 飴だ。あの野郎、飴を舐めながら試合して俺に勝てる気でいやがる。正直キレた。

 試合が終わったとき、奴は左膝を抱えてのた打ち回り、惨めに泣いていた。奴が払い腰の態勢に入ったとき、後ろから軸足を目一杯蹴りこんだので奴は膝を折ってしまった。試合どころではなくなった奴を見下ろしていた俺に、審判は反則負けを告げた。
 奴は次の大会には出て来なかった。引退したらしい。


「酒」「マンハッタン」「冗談」

139 :名無し物書き@推敲中?:04/03/11 23:48
VSさん!!!━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ キター!!!

140 :「酒」「マンハッタン」「冗談」:04/03/11 23:50
技が決まるたびに上がる、耳を聾する観客の歓声。だがそれは俺のためのものではない。
奴に投げ飛ばされた俺は、口の端から垂れた血をぬぐい、咆哮を上げて突進した。
奴は余裕の表情を崩すことなく容赦のない蹴りを繰り出してきた。
よろめいた俺の両腿を、奴ががっしりと掴む。
マンハッタンドロップ―――。
遅かった。直撃を食らい、意識が一瞬飛んだ。
そこからは一方的な試合だった。観客が望むとおりの。

負け試合の後は、浴びるほど酒を飲むことにしている。そうしないと眠れない。
いつものように俺に付き合って飲んでいた先輩が、ぽつりとこぼれるように呟いた。
「なあ、俺……もう、プロレスやめようかと思う」
「そんな、先輩、冗談っしょ?」
「本気だよ。……娘に泣かれたんだ。もう俺がケガして帰ってくんの嫌だってな」
俺は黙って酒をあおった。切れた唇にひどくしみた。


 お題「胃薬」「リモコン」「油性ペン」

141 :胃薬 リモコン 油性ペン:04/03/12 01:54
 適当にリモコンを嬲っていたら、チャンネルが切り替わってCMが流れた。
 薬品のCMだったのだが、「○○は医薬品です」というところが誤字で「胃薬品です」
となっていた。
 大笑いした俺は傍らの油性ペンを手に取り、葉書いっぱいに「間違えてやんの
バーカバーカ」と大書して製薬会社に送りつけた。

 暫くして、なにげなくテレビをつけた俺は憤然となった。
 件の製薬会社が、胃薬のCMで「胃薬品です」をネタとして扱っていたのだ。

 アイデア料寄越せ、この野郎。

 次のお題は「ランプ」「ヘアピン」「カステラ」で。

142 :「胃薬」「リモコン」「油性ペン」:04/03/12 01:54
我が家にシャープの60インチ液晶テレビがやってきた。
おやじが「きたか」と声を弾ませてダンボールを丁寧にあける。
おふくろは「あらやだ」と台所からサランラップを持ってきて、
出されたばかりのリモコンをそれで巻いた。あとから電池を入れ忘れたことに気づいて「あらやだ」とまた言った。
兄貴は説明書を読んでいる。電源を入れて見たいチャンネルのボタンを押すだけのテレビに、どうしてこれだけ分厚い説明書が必要なのだろう。
おれは兄貴に油性ペンを渡して保証書のブランクに記入するよういった。
おじいちゃんはさっきからイカの乾きもののようなものをにちゃにちゃとやっている。さいきんは何を訊いても、あうあうあうとしか答えない。答えなのか答えではないのか。あうあうあう。おれも困惑する。
「おじいちゃんお薬の時間よ」おふくろがコップに水を入れて薬と一緒にわたした。
「あうあうあう」
「ただの胃薬よ」とおふくろがいうと、またあうあうあうとおじいちゃん。となりではやばやとテレビのセッティングを終えたおやじ。
「どーれ」とおやじがラップに巻かれたリモコンで電源を入れた瞬間、台所から爆発音が聞こえた。ような気がした。そのときには意識はとんでいたから。

「せんたくばさみ」「豊臣秀吉」「三年前の日記」

143 :142:04/03/12 01:55
あ、お題は>>141さんのでお願いします。

144 :「ランプ」「ヘアピン」「カステラ」:04/03/12 02:29
狭く、灯りは小さなランプだけという薄暗い部屋で作業を続けている。
劣悪な環境だが、まるでカステラのような感触のソファーだけは別だ。
こんな場所には不釣合いな代物だが、柔らかい物に腰掛けられるのはありがたい。
おまけにこれに腰掛けていると眠くもならないし、喉も渇かない。
仕組みは分からないが腹だって減らない。
そのせいか、作業を始めてからどれ程の時間が経ったのか、まるで分からない。
作業自体も曲がった針金―よく見えないが、ヘアピンの様な形をしている―を引き伸ばし、
別の形にするという単調なものなので、辛くは無い。
作業が進み、手付かずの針金が減ってくると、小窓から新しく追加される。
その際に加工した針金も引き取られる。
正直少し飽きてきたので席を立ちたいのだが、
その瞬間にソファが抑えていた欲求が爆発しそうで、中々席を立てない。
恐らくいつまでも、いつまでも、針金を曲げ続けなければならないのだろう。

「映画」「雑誌」「レシート」でお願いします


145 :「映画」「雑誌」「レシート」:04/03/12 04:43
 立て看板を見なくても、その映画館から出てきた客たちを見れば、どんな映画が上映されたか一目瞭然だ。
外柔内剛とは良く言うが、外柔内柔の典型、つまり外でも家の中でもやられっぱなしの中年男、永塚は、映
画に感化されたのか、短い背を目一杯に反らせ、貧相な眉の間に縦皺を作ってのし歩いている。垢じみたワ
イシャツの襟と、皺だらけのスーツが何ともその仕草と不釣合いだった。
 馴れないことはするものではない。彼はすっかり菅原文太になりきっていたところ、突然、丸めた雑誌で
後頭部を痛打された。「なにしやがる」と虚勢を張ってしまったもんだからさあ大変。彼の上司・古田係長
は振りかえった貧相な中年男に怒声を浴びせた。「サボってないで仕事しろ!」
 事の次第と自らの不覚を悟った永塚は、それでも係長に映画のレシートを差し出した。「これ、経費で落
ちます?」
「もう会社に来なくていいよ。ご苦労さん」係長はむしろ落ち着いて言った。

 永塚ふとし五十一歳、第二の人生の幕開けであった。


お次は「鈴」「南風」「哲学者」で。

146 :「映画」「雑誌」「レシート」:04/03/12 05:13
その大声がすると、店内は水を打ったように静かになった。
そのコンビニにちょうど居合わせた客達はレジの方を向き、両手をゆっくりと顔の高さまで上げる。
レシートを持ったまま硬直している店員に突きつけられたナイフが、強い白色の光を放つ蛍光灯
によってきらきらと輝く。強盗はもう一度先程と同じ台詞を同じ口調で吐き出した。
「金を出せ! 両手を挙げろ!」
その時パラパラと雑誌をめくる音が、流れっぱなしの場違いな映画の宣伝文句に交じって店内に
聞こえてきた。女だ。一人の女が神妙な面持ちで雑誌をパラパラとめくり続けている。
「てめえ、何してやがる! 両手を挙げろ!」
女はその怒号を聞くと雑誌を棚に戻し、まっすぐに強盗を見据えて怒鳴り返した。
「うるさい! 私もお金が無くて困ってるの! 早く新しい仕事探さないといけないのよ!」
その剣幕に強盗を含め、店内にいた全員が呆気に取られた。瞬間、隙をついた店員と何人かの
客が強盗を取り押さえる。その間中も何かに取り付かれたかのように、女は求人情報誌を手当
たり次第めくっては食い入るように見ていた。
どうして警備員にならないんだろう? その時、店の奥のジュースクーラーの中で両手を挙げてい
た僕が思ったのはそういうことなのです。

間に合わず。お題は145さんのでお願いします。

147 :「せんたくばさみ」「豊臣秀吉」「三年前の日記」:04/03/12 08:34
 東京で就職が決まったので、私は冬休みに長崎の実家へ帰ってまず、引越しの荷造りに
取りかかった。といっても、当面、生活に必要なものは殆ど東京の下宿先においてあるの
で、荷造りというよりは少年時代の遺物の整理をする、という方が相応しい作業となった。
 埃とカビの匂いに辟易しながら押入れをまさぐっていると、三年前の日記が出てきた。
マンガと一緒に結わえて処分するつもりで無用心に重ねておいたのが、良くなかったのか
もしれない。手伝うと称してやってきた幼馴染の弘子が、私が煙草の買出しに行っている
間に、目を通したらしかった。
「隆ってさ、豊臣秀吉を尊敬してるんだ」彼女が、戻ってきた私を見るなりそう言ったの
で、それでピンときた。
「黙ってひとの日記、読むもんじゃないぜ」
「ごめんね。でも隆らしい」彼女は自分を棚にあげてのしたり顔だ。「二日分しか書いて
なかったよ。三日坊主にもなってないじゃない」

 久しぶりの再開ということもあり、それに、彼女も結婚を控えてマリッジブルーだった
のだろう。私たちは仕事が一段落すると、若い情熱に誘われるまま、ホテルへと向かった。
彼女はこの二年間に何があったのか、変わった性癖を身につけたらしかった。私の服を脱
がせるなり、ハンドバックからせんたくばさみを取り出し、にっこりと笑った。
「こういうのが好きなんでしょう?」そしてすうっと手を伸ばし、私の鼻と、両方の乳首
を挟んだ。三年前、日記をつけようと堅く心に誓った私は、初日に意気込んで羽柴秀吉の
ような男になる決心を綴り、二日目には自分の赤裸々な姿を残そうと、自分のフェチをや
や情熱的に記したのだった。
 あの頃は蒼かった。しかし、弘子の旦那さんになる人には悪いが、そのお陰でいい新年
を迎えられた。やはり人間たるもの、自分に正直であらねばならない。

 * * *

 書くだけ書いてみた。お題は>>145氏。

148 :「鈴」「南風」「哲学者」:04/03/12 09:08
 吉郎がいつもの公園へ清掃に出向くと、昼飯時の指定席にしているベンチに先客が居た。
眉間に深い皺を目立たせて、男は分厚い本を読んでいる。
「この天気には、笑顔の方が相応しいだろうに」
 吉郎はそんなことを横目で思いながら、男の前を通り過ぎた。
 ――シャン、シャン。
 清掃を続けていると短い錫杖を持った山伏が吉郎とすれ違った。近くに有名な修験山
があるらしく、時々見かける。この季節の頭巾、鈴懸、笈の格好は、どこか然とした夏
の雰囲気を漂わせて、吉郎は思わず顔を綻ばせた。ゴミを拾う手にも気力が漲る。
 一通り清掃を終え飯にしようと指定席に戻ると、先の山伏と男が隣合って座っていた。
「ありがとう。哲学の宗教に対する考え方を理解できた気がします」
 本を閉じて山伏に礼を言うと、男は快晴の天を見上げ会心の笑みを漏らした。足取り軽く
去っていく哲学者を見送りながら、吉郎は良い場に居合わせたものだと静かに感動した。
 ――シャン。
 山伏も立ち上がった。白南風に吹かれ錫杖を鳴らす彼の背に向かって、吉郎はゆっくりと
手を合わせた。

次「茸」「浜」「天狗」

149 :名無し物書き@推敲中?:04/03/12 11:03
 某月某日正午、横浜スタジアム――。
「今日も勝つよ!」
監督・山下大輔の声が響く。今日はチームにとってとても大切な試合だった。シーズン初の4連勝が懸かっていたのである。
 広島とのデイゲームは横浜の三点リードで八回裏まで終了した。あとは九回表の広島の攻撃を抑えれば、勝ち。
即ち、今シーズン初の4連勝――。選手達もさすがに気が昂った。そのとき、
「ピッチャーデニー!」
やりやがった――抑えの佐々木やギャラードを出せばいいものを、何故かこの場面でピッチャーデニー。
またか、と選手達の高揚した士気は一気に寒々としたものとなった。「ここ一番は、デニーしかない」と山下。
フォアボール、フォアボール、フォアボール……ノーアウト満塁。
ピッチャーデニー、ワンアウトもとれず降板。抑えのギャラード登板。誰もが予想したであろう結果である。
山下監督が祈るような思いでギャラを見つめる。サードゴロ。確実にアウトをとるか、ホームタッチアウトをねらうか――。
ファンタジーはそのとき起こった。今日二本のソロホーマーを放ち、すっかり天狗と化していた三塁手村田が、爆笑の捕球ミス。
捕れないだけならまだしも、誰もいない三塁側ファールグラウンドに弾いた。
転々と転がるボール、たらたら追うレフト、頭を抱える勝ち投手の権利を有する先発・三浦――。走者一掃のタイムリーエラー。
茸のような真っ白い雲が、抜けるような青空を心地良さそうに泳ぐ。山下監督は、ただただそれを見つめていた。

これが限りなく真実に近いのだから恐ろしい。
「宝」「空腹」「頭」 

150 :「宝」「空腹」「頭」:04/03/12 11:49
 正直に打ち明けると、私は当時の空腹を説明する語彙を欠いている。それはつまり、
私のモノ書きの端くれとしてのプライドなどいとも簡単に粉砕するに充分な空腹を覚
えていた、ということだ。実際、どの程度なのか、という点については読者諸兄の判
断に委ねる。必ずしも他人様にあのときの空腹を理解してもらう必要を覚えるほど、
私は落ちぶれてはいないつもりだ。
 それにしても酷い空腹だった。しかし同時に、最悪の切り出し方たる開き直りに五
行も費やしたことに些かの後悔を覚えている余裕を鑑みれば、それほど空腹でもなか
ったのかもしれない。兎に角、私は誰が何と言おうと空腹だった。
 空に浮かぶものは綿菓子で、道路を舐めるタイヤはチョコレートドーナッツだった。
私は空腹に頭を冒されていたに違いない。まさか走っている車にも、雲にも齧りつく
わけにはいかず、またそのようなものに限ってやたら美味そうに見えるのだから。
 私にとって、空腹という荘厳かつ切実な問題を解決してくれるものは至宝であった。
従って、偶々見つけた、道端に転がる、内臓を剥き出しにした蟇蛙の血に塗れた死骸
は、全く以ってそれそのものだった。寧ろ引っ込んだ唾液の代わりに胃液さえ込み上
げてくる有様で、まあそういう訳で私はこの問題を解決したのだ。
 つまらなかった? ああそう。


「もみじ」「混濁」「フランス人形」

151 : 「もみじ」「混濁」「フランス人形」:04/03/12 16:55
「さむいなァ・・・」
待ち合わせ時間を15分ほど過ぎてもまだ彼は現れない。
携帯を確認する---着信アリを知らせるアイコンは見あたらない。
コートの襟を立て、腕を組んだ。肩を聳やかす。
さっきから手当たり次第に声をかけるキャッチ。目があった。
男が一度髪をかきあげてこちらに向かってきた。
「待ち合わせ?」不自然に黒くなった皮膚にむせかえるような香水の匂い。金と銀と黒。
目をあわさず、話をきかず、表情を作らず。男は喋りつづける。
ああ、わたしは東京で、こんな寒い日の夜に、待ちぼうけをして、
知らぬ男に安く見られて、なんなの、いったい。フランス人形。お母さんにおねだりして買ってもらった、真っ白な肌の人形。
きっとまだ、田舎の物置のなかで、布にくるまって、横たわっているんだろうなァ。
ぎらぎらといくつにもかさなるネオンの混濁が、もみじ色になってわたしの体を照らしている。男は舌打ちをして踵をかえした。足下で枯れ葉が風に舞った。

「クインテット」「揺曳」「陋屋」



152 :名無し物書き@推敲中?:04/03/12 17:57
VSさんが出てこないせいで、このスレつぶれちゃうかもよ!
VSさん、はやく名前出して出てきてよ!
手遅れになっちゃうよ!!!

153 :「クインテット」「揺曳」「陋屋」:04/03/12 19:33
 私は舗装の行き届かぬ、葦や潅木に今にも乗っ取られそうな狭い道路に車を停めて、
ひとつ伸びをした。職務を思えばのんびりとはしていられないが、毎度のことながら、
今日の訪問も不毛に終わるのは、火を見るより明らかに感じていた。
 湖畔に佇む一軒家は、陋屋と言ってよかった。葦の海のむこうで、足早に風に運ば
れ、濃淡を織り成す白濁した濃霧に見え隠れするさまは、廃墟然とした趣さえある。
板戸は風のうなりに答えてがたがたと鳴り、蟲の音色と相俟って自然のクインテット
の一角を為している。
 土地売買契約書一式の入った封筒は必要あるまい。大吟醸にスルメだけ手に、葦を
掻き分けて玄関に回った。
「こんにちは、お父さん。浦部建設の石田です。お父さんの好きな日本酒、持ってき
ましたよ」
 返事がないことを不審に思った。いつもは不機嫌に返事をし、渋々といった顔で、
それでも戸を開けて中に招いてくれる。酒も半合ほどまわると、皺だらけの鬼瓦がと
ろけて、上機嫌でお酌を受けてくれるので、辛島さんは土地の売買に応じてはくれな
くとも、内心では私の訪問を愉しみにしていることだけは分かっている。
 戸を、何度か叩いてみた。どんどんという音が虚しく霧に乗って揺曳するのみだ。
カブは家の脇にたてかけたままだし、私はえもいわれず、嫌な予感がした。


「ネイティヴ」「黒子」「モノトーン」

154 :名無し物書き@推敲中?:04/03/13 14:18
どれがVSさんなんだよ!
「三語スレで名物になるほど、VSさんの感性は光ってる」って言われてんだぞ!
そのせいで、やたらこのスレ晒されたし。

あぁ!?
とりあえず、教えてくれ!
「VS」ってコテハンが、このスレで名物になった事実はあるのか?

155 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 00:33
黒子はスポットライトの夢を見る。
壇上には黒子しかいない。老人の人形、子供の人形、ネイティヴアメリカンの人形もいない。支え
なければいけない物は何も無い。観客の誰もが黒子だけを見ている。
スポットライトが黒装束を丹念に照らし続ける。黒子が右に動けば右へ、左に動けば左へと、一
瞬足りとて光の円の外へ黒子を逃がさない。
黒子は両手を水平に伸ばし、観客に向けて一言だけ呟いた。
「あ」
それだけで大拍手が起こった。誰かの指笛がホールにひっきりなしに鳴り響く。
光と影のモノトーンの中で黒子は己の頭巾に手をかけた。その動作に観客は歓声を上げる。
おおおおお、とその声が盛り上がり、そしてついに頭巾が取れる寸前

「おい、起きろ」
ベンチを思い切り蹴飛ばされ、黒子は目覚めた。
「そろそろ出番だぞ、準備しな」
遠くの世界から割れんばかりの歓声が聞こえてくる。
黒子の涙はその黒い面妙によって見ることはできない。

「旅」「卒業」「女」


156 :「旅」「卒業」「女」 :04/03/14 01:51
 おれはシロイヒトの言うことには逆らえないので、とにかく許容し続けている。
シロイヒトがなにを言っても、とりあえずためす。シロイヒトが旅をしろ、
と言えば旅を計画したし、彼女と別れろ、と言えば、わざと機嫌を損ねさせたりした。
実をいうと、ほとんどそのとおりにできたことはないし、そのとおりにできたって、
けっこうくだらない事態におちいったりもした。それでもおれはシロイヒトになるべくしたがってきた。
入学だろうが、退学だろうが、休学だろうが、卒業だろうが、とにかくシロイヒトがそうしろと言えば、考えてみた。
 でも、おれはシロイヒトについて多くはしらない。
いや、ぜんぜんと言ってもいい。シロイヒトが女なのか、おとこなのかすらわからない。
というか、なんとも言い切れない。言い切れないけど、シロイヒトのことはないしょではない。
おれはけっこうシロイヒトの名前を口にする。シロイヒトがだまっていろ、とは言わないからだ。
 あるとき、いつもふしぎに思っていただろう彼女が、意を決したようにおれに訊いた。
 ――シロイヒトってなに?
 知らないけど、いるとしたら、そういうもんだろ、とおれは言った。
 シロイヒトは訊く前よりもっとふしぎそうな彼女の表情をながめながら、
なんとなくよろこんでるかもしれない、とおれはくだらないことをおもう。


「指」「大陸」「衝撃」


157 :「指」「大陸」「衝撃」:04/03/14 03:20
 彼の指先が軽快なリズムの下で華麗に弾ける。その姿はまさに神々の頂。
一分一秒、いやコンマ以下を争うその手元の素早さは、世界に名を馳せる
スプリンターとも劣らない。そう彼は今、世界に降り立つたった一人の選手。
 不意に彼の手が止まった。それから数分経てども、微動だにしない。
ただならぬ雰囲気が彼の周りを取り巻いている。だがそれから更に数分後、
溜まっていた雨水か、雫となって水面下に落ち、波紋が広るかの様に、止まって
いた指先が、先ほどとは打って変わって烈火の如く動き始めた。
 一瞬にして世界が変わった。先の動きがまるで弥勒菩薩のような慈悲深い物
であったのに対し、今は阿修羅の如き激しい動きを見せている。かつての秦の
始皇帝が、初めて中国全土を統一し、大陸に衝撃を走らせた様に、彼もまた
自分がいるこの空間に、いや、彼が彼自身の身に衝撃を走らせたのである。
それから数秒後に指は止まり、再び動き出すことはなかった。

 ズボンのジッパーを閉め、一仕事を終えたサラリーマンのような顔立ちをして、
先程使用したポルノ雑誌を、彼は手に取った。
 彼は悠然に、しかし自信に満ちた態度で、ベッドの下にそれを片付けた。


「星」「青年」「タイプライター」

158 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 14:14
シカトか
まともな質問にも答える気ないってか
所詮クソスレだったな

159 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

160 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 14:16
お前らさぁ、自分達が何か高尚な存在だと思ってるらしいけど

   全   然   大   し   た   事   な   い   よ

だって「YESorNO」で答えられる質問にも答えられないんだもんw
小学生以下だよ、お前ら

161 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

162 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 14:21
文学を志す者には、ある程度のプライドは必要だろう
でも、それは実力や功績の伴ってる奴の話なw

お前らはプライドだけ先行して、肝心なモノが何にもない
空っぽだ
装飾は豪勢だが、中身は生ゴミ
生ゴミがバキスレ貶す権利があると思ってんの?

163 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 14:47
サイレント調に始め、台詞はごく初期のタイプライターを使ったような字体
 
青年、夜道で女と何か話す
軽く口論めいてくる
―――間
青年の元を離れる女、立ち尽くす青年
―――間
青年、空を見上げる
空には月と星が見える
―――間
青年、少し俯く
―――間
青年、再び空を見上げ、何か口ずさみながらゆっくりと歩き出す
  ここで挿入「Fly me to the moon」

次は「スプーン」「サンダル」「時計」でお願いします

164 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 14:48
>>163は名前入れ損ねです
「星」「青年」「タイプライター」がお題でした

165 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 16:30
>>162
ここの連中はね、極めて頭が悪いの。
バカでバカでバカで、本当にクズの集まりなの。

人から認められたいのに努力しない。
「俺だって本気を出せば、いくらでも面白い文章が書ける」と思い込んでる。
↑こぉ〜んなダニばっかなの。

だから、あまりイジメないで下さい。
自殺者でたら後味悪いし。

166 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 18:24
>>154
ここは作品スレなので、↓に返事を書き込んで置きます。
http://book.2ch.net/test/read.cgi/bun/1078061417/78-79
長いですが、まじめに回答してみたので、ちょっと真面目に読んでみてください。

167 :「スプーン」「サンダル」「時計」:04/03/14 22:17
人身事故。運転中において、注意力散漫な人と不運な人に起こりえる現象。私の場合
は後者だった。突然、男が車の前に現れたのだ。

男はうつ伏せで左半身を私に向けていた。午後11時。車のライトが、男の左腕に着け
られている腕時計を光らせていた。私は事態をうまく飲み込めずに、ただ車中で堅く
ハンドルを握っていた。
私は居眠りしていたわけだはない。人気のない道路を法廷速度で走っていただけだ。
なのにいつの間にかこの状況だ。とにかく男の生死を確認しなければと、思った。
車から降りて男に近づく。頭から血が大量に流れていた。まだ若い。16,7くらいだろうか。
裸足だ。いくら季節が夏だからといって、サンダルすら履いていないのが少し妙だ。右手には
スプーンを握っている。ひどく捻じ曲がっていた。
「大丈夫ですか」
反応がない。口元に手をもっていったが呼吸もない。脈・・・・・・もない。私は逃げた。

一週間後、署に連行された。ひき逃げの容疑で。そこで刑事さんがしきりに聞いてくることがある。
「お前はどんな時間差トリックを使ったんだ」と。


次は
「理論」「論理」「理屈」
でお願いします。

168 :名無し物書き@推敲中?:04/03/14 22:22
>>167
また誤字だ・・・・・・。
>私は居眠りしていたわけだはない。×
 私は居眠りしていたわけではない。○

前の投稿にも誤字があった。何度も何度も推敲してるのに。
どうすればいいんだろうか。
皆様、お目汚し大変失礼いたしました。        


169 :「理論」「論理」「理屈」:04/03/15 04:25
「少し待ちたまえ。真の理論は待って見つけるものだ。探して見つかるものではない」
 その台詞を聞いてからもう18時間ここに座っている。継続的に待たされた中では最長記録だ。
 私を待たせている人は、真理学とかいう学問の権威らしい。論理学の応用分野だそうで、今度
うちの出版社で本を出せという話を持ってきた。今日はその草稿を見せて貰いに来たのだ。
「あのー」
「まだ待ちたまえ。さっきも言ったが真理は探して見つかるものではない」
 妙に説得力のあることを言いながら、男は原稿用紙の前でじっと何か考えている。草稿を
なかなか出さないから、まさかと思っていたのだが……。
「もしかして、今考えているのですか?」
 やや長い沈黙の後、男は違う、と一言呟いた。一応、一安心する。
「ではその原稿用紙は何です?」
「これは次回作の分だ。今考えている。出版用の草稿なら間違いなくこの部屋のどこかにある」
「なんで草稿の方を探さないんですか!」
「何度言えばわかるんだ。真理は探して見つかるものではないのだよ」
 そんな理屈で18時間も――

次「益荒男」「得て」「徳」

170 :「益荒男」「得て」「徳」:04/03/15 17:23
 柔道、空手、剣道合わせて十五段の私は、益荒男を自称するに足る存在であろう。とこ
ろで私には悩みがある。薄くなった頭髪のこともそうだが、それより最近、娘が九時の門
限を守らない。薄々分かっている。おっと勘違いするな、薄々とは頭のことではなく、娘
が九時過ぎまで外で何をしているのか、ということだ。
 どうせ、つまらん男にでも引っ掛かっているのだ。手前味噌で恐縮だが、娘のように器
量良しの女子には、得てして害虫が食いつくものだ。それは世の摂理として受け入れよう
が、害虫には日本男児として弁えるべき徳というものを教えてやらねばならん。
 八時のNHKニュースも終わったことだし、私は竹刀を手にそっと庭に出て、娘の帰り
を待つことにした。近所の犬の遠吠えに、彼奴めが近く晒すであろう吠え面を思う。

 私は複雑な思いであった。鏡に映る吾が頭髪は斜陽の一途を辿っている。祇園精舎の鐘
の色、諸行無常の響きあり。思わず口ずさんだ平家物語のはじまりが、恐ろしいほど的を
得ていることに、私は涙せずにはいられなかった。決して嬉し涙ではない。とはいえ、娘
が父の頭髪を案じる余り、遅くまでアルバイトをして生薬入りの高級発毛剤をプレゼント
してくれたことが嬉しくなかった訳では決してない。
 こんなに涙が止まらぬのは、玉音放送以来だろうか。娘よ、ありがとう。


次は「虎」「明鏡止水」「ポンコツ」でおながいします。

171 :170:04/03/15 17:47
ああ恥ずかしい。訂正します。
×祇園精舎の鐘の色
○祇園精舎の鐘の声

172 :岸和田:04/03/15 19:33
「虎」「明鏡止水」「ポンコツ」
 「…おお、おおお、ついに出来たぞ!!これは力作だ!!」
彼は白髪だらけの頭に、汚れた白衣の「いかにも」な博士である。
この研究所で彼がつくったのはロボット、である。苦節12年、ようやく完成した自信作であった。
「よし、スイッチ、オン!!」
博士がロボットの頭の後ろにあるスイッチを押す。プシュー、という音がしてロボが立ち上がった。
「おはよう、ござい、ます。白髪だらけの、くそ、あたまさま」
「…マジで?これ失敗作かよ?ま、まあいいだろう。テストを行なう!」
博士がカードを何枚か取り出し、ロボットに見せた。
「これはある動物だ。さて、この動物の名前は?」
カードには虎の絵が描かれている。このぐらいはできてもらわなくては、という感情がにじみ出ていた。
「なんで、そんな、こと、答えなくては、いけない、のでありますか」
「…マジかよ。ちっ、まあいいさ、テストはまだある。知ってる四字熟語を言ってごらん」
「明鏡止水、森羅万象、世界最強、ウルトラ無敵、プーピーちゃん、誰あんたバーカ、一億万円」
「・・・このクソポンコツ野郎、調子ぶっこいてんじゃねえよ・・」
「うるせえ馬鹿野郎、黙ってろ、よう、そこのじじいよう、てめえぶっ殺してやろうか」
博士とロボットとのテストはまだ続く。

 「恐怖」「闇」「閉塞感」

173 :「恐怖」「闇」「閉塞感」:04/03/15 20:10
進級してクラス替えが行われてから3ヶ月。私はいまだに今のクラスに馴染めないでいる。
私以外の生徒は、まるで精密機械のように同じことばかりやっているからだ。その様には
恐怖すら感じる。授業中はノートと黒板を交互に見てシャーペンを走らせるだけ。先生以外
誰も口を開かない。先生に指示された人だけは朗読したり計算解いたりするけど。これだけな
ら、皆勉強熱心で片付くが、休み時間も同じことやっているのだから狂っている。次の授業
が始まると教科書とノートを替えて、また繰り返し。体育は皆出ない。体育教師がそれに激昂して
クラス長を詰問したら「競争は野蛮です。協調性がありません」だってさ。
このクラスにいると息が詰まる。閉塞感というか圧迫感があるんだ。
隣のクラスから笑い声が聞こえてくると、ほんと悲しくなる。隣は光でこっちは闇。
私のクラスの人達は没個性もいいところだ。
そういう私も皆と同じことをやっている。
皆と同じことをやってないと不安なのだ。私だけ違うことをやるのが怖いのだ。
そうやって私の個性は埋もれていく。

次は
「個性」「アコギ」「道徳」
でお願いします。

174 :ルゥ ◆1twshhDf4c :04/03/15 20:33
「恐怖」「闇」「閉塞感」

たまには外食してみるのもいいかもしれない、と思った。
ジャガイモだらけのカレーではなく、スパイシーな辛さが口に広がる専門店のカレー。
想像するだけで何だかお腹が減ってくる。
しかし、ただ「思う」だけ。
私にそんなことできるはずないのだ。
最初はこの異様に狭い空間に閉塞感や恐怖を覚えた。
しかし、慣れというのは怖いものだ。
今ではこの薄闇が心地よくすら感じる。
起きてはいるけれども、眠っているような気だるい感触もそんなに悪くないと思うようになった。
元々、明るい普通の世界に……皆が笑っている世界に違和感を感じていたのかもしれない。
だから、こういう世界は悪くない。
例え、もう大好きだった人たちに会えなくても……。
「おい、飯の時間だ!」
重い板でできた扉の向こうから、今日も私を「飼っている」男の声がする――。

☆受験終了ということで、また感想の方も少しずつ書かせていただきたいと思います。
 (発表はまだなんですけどね……)
 次は「あくび」「開放」「踝」で、お願いします。

175 :ルゥ ◆1twshhDf4c :04/03/15 20:35
ごめんなさい。
リロード忘れて被ってる……。
次は173さんの「個性」「アコギ」「道徳」でお願いします。


176 :名無し物書き@推敲中?:04/03/15 22:13
お前らも最終選考に残れるよう頑張れよ!

177 :名無し物書き@推敲中?:04/03/15 22:34
 『大変個性的ですが、著しく道徳が欠けています』――これは、小学校低学年のときの通信簿に書かれていたものだ。
当時は分からなかった。自分は至極当たり前のことをしていると思っていたからだ。
バッタの足を一本一本もいだり、猫を電柱に縛り付けたり、犬の尾を切断してみたり……。
社会人となった今は当然分かっている。子供のころの自分は悪の権化だったのだ。
反動なのか、今の俺は無性に悪人が許せない。悪いことをしている奴を見かけると、少々抑えがきかなくなってしまう。
先日も、ネットオークションで著作権物を無断で印刷して儲けている馬鹿を発見した。勿論犯罪である。
こういう、自分で努力して金を生み出そうとしない奴を見ると反吐が出る。アコギな儲け方しやがって……。
ソイツの居場所をつきとめ、不意に殴打する。相手は相当に驚いている。馬乗りになって二発、三発と加えた。
小一時間程殴り続けたら動かなくなったので、満足して帰った。最近はこんなことの繰り返しである。
最近、物騒な事件が激増しているとよく耳にする。全く同感である。悪人は増え続けるばかりだ。

「布」「餞別」「唐草」

178 :名無し物書き@推敲中?:04/03/15 23:16
「布」「餞別」「唐草」

「ほらこれ。やるよ、前からほしがってただろ、餞別だ」
同期入社の加藤はそう言うと、俺に皮の名刺入れを手渡した。
ずっと前、正確には加藤と対等に話が出来ていた頃に(たった数カ月間だけだ)、
彼が海外で買ったというその茶色い名刺入れを、自分が随分羨んでいたことを思い出した。
「お古で悪いけどさ」「そんな事ないよ。次の仕事で使うよ。ありがとう」
課のあちこちで失笑が漏れた。加藤は一人、遠慮なく大笑いしていた。
「ああ、それじゃ次の会社が見つかったら教えろよ」加藤は俺の肩を叩き、自分の仕事に戻っていった。
おざなりな送別会は先週終わっていた。俺は定時に退社し、真直ぐ帰宅した。

俺は手の中のそれを見た。物を長く使わない加藤の名刺入れは、新品同様のままだった。
そして、彼の手を離れた瞬間、何の価値もないものになっていた。俺はそれを投げ捨て、寝転がった。
目を瞑ると、ネオンサインのような光の輪が見えた。輪は次第に唐草模様になり、最後には渦になった。
渦の中に、あの名刺入れを思い浮かべた。叩き、破り、噛み千切り、ボロ布になるまでそのイメージ
を繰り返すうち、いつの間にか相手は加藤になっていて、俺は驚いて目を開けた。
……俺は、ずっと加藤が羨ましかったんだ。

お次は「ルーレット」「拳銃」「黒」でよろしくー

179 :「ルーレット」「拳銃」「黒」  ◆7iyNMigEXc :04/03/16 00:47
「ロシアンルーレットで遊ぼうよ。上田くんも好きでしょう?」
 高見沢はチャシャ猫のように笑って、上田を見下ろしていた。
 放課後の図書館準備室。
 黒い学生服をきた集団。
 高見沢をリーダーとする六人組に囲まれて、上田は逃げ出せずにいた。
「ほら、特別に上田くんから撃っていいから」
「そうそう、ロシアンルーレットは最初の方が有利なんだよ」
「そんなに、怖がらなくてもいいじゃん。ただのおもちゃだよ」
 プラッチック製の、黒くて軽い拳銃を、上田の手に押し付ける。
 黒くて、軽い、汚水が入った水鉄砲を。
「ほら、やれよ」
 顔を下にむけたまま、上田は鉄砲を受け取った。
 少年たちの笑いがいっそう深くなる。
「うわぁあああ!!」
 上田は泣きながら引き金をひいた。高見沢に向かって。負けるとわかっていても。

 次は「春告げ魚」「魔法」「方言」でお願いします。

180 :名無し物書き@推敲中?:04/03/16 00:49
「ルーレット」「拳銃」「黒」

4人組ロックバンド、「ザ・ロシアンルーレット」のメンバー達は頭を抱えていた。
一昔前の青春パンクブームに乗って一山当てようとバンドを組んだが泣かず飛ばず。
適当に愛だの友情だの大人は汚いだの叫んどけば阿呆な中高生が喜んで買ってくれて
人生安泰だろうと思っていたが甘くはなかった。ライブも家族と犬しか客に来ないので赤字続きだ。
今やメンバー全員三十を超えたにもかかわらず、揃いも揃ってコンビニバイトのフリーターだ。
ボーカルに至ってはいい年ぶっこいて愛想笑いの一つもできないから時給が入社時の750円のままだ。
最近も、明らかにおもちゃの拳銃(つーか水鉄砲)を持った強盗に脅されて失禁。
レジの売上金を震えながら差し出した一件が元で、高校生のバイトどもにもなめられる始末だ。
なめられてばかりではバンドマンの格好がつかない。イメチェンで最後の大勝負を試みた。
4人そろって黒いスーツに黒ネクタイ、サングラスでキメてパブロックを気取った。
しかしサロン焼けがたたってどうみてもシャネルズの田代マーシーにしか見えなかった。解散。

「電車」「鋼鉄」「もりもり」

181 :ルーレット・拳銃・黒:04/03/16 00:50
ルーレットが回り始めた。占星術師と祈祷師と魔術師は固唾を呑んで赤と黒が
溶け合い交じり合う盤面を眺めた。これは彼らの面子を賭けた戦いだった。占星術師は、
まず水晶玉で、その結果を占った。黒い靄が見えた。黒に賭ける、と彼は宣言した。
次に、祈祷師は、彼の神への生贄を用意しながら、では赤を出してみせよう、と
宣言した。そして、おもむろに祝詞をあげはじめた。
困ったのは魔術師だった。黒に賭けて勝てば、占星術に乗っかって収めた勝利だと
言われ、赤に賭けて勝てば、それは祈祷のお陰だと言われるのが目に見えていたからだ。
迷った末、彼は「では、僕はそのどちらでもない結果を出そう」と小さく呟いた。

ルーレットが止まった。黒だった。やった、運命を正確に読むことが出来た、と
占星術師は小躍りした。しかし、その時雷鳴が鳴り響き、玉がひとりでに動き始めた。
祈祷師の神が動き出したのである。玉は赤に止まった。しかし異変はさらに続いた。
むん、と魔術師が眉間に力を込めると、玉はふわりと浮き上がり、ルーレットの
外に出ようと動きだした。そうはさせじと神も力を込め、玉を元に戻そうとする。
凄まじい戦いだった。しかしそのとき、たまたま店の隅にいた誇り高いガンマンが、
俺の腕を見せてやる、と仲間達に呟いて、宙に浮く小さな玉を拳銃で撃ちぬいてしまった。
あっけにとられる三人をよそに、ガンマンは、「俺の勝ち」と呟いて、酒をあおった。
三人はそれで納得してしまった。彼らにルールなどは無用なのだった。

次は「バックスペース」「琉球音階」「土砂崩れ」で。

182 :180:04/03/16 00:51
すみません・・・。
次の3語は>>179さんのでお願いします。
「春告げ魚」「魔法」「方言」

183 :名無し物書き@推敲中?:04/03/16 01:22
「春告げ魚−春の足音を知らせるように釣れはじめる、そんな魚のことを言います」
「たとえばどんな魚ですかね」
「しらうお、いかなご等がそう呼ばれているようです」
「しらうお、ですか」
「ええ、あと、めばる、ですね」
「めばるですか?」
「はい。めばるです。」
「めばるんですか?」
「?」
「うちの田舎の方言では、『めばる』は『姦ってOK!』って意味なんですが」
「いや知りませんよ。どこだよその田舎って。っつーかなんでパンツ脱ぎ始めるですか?」
「いいんですよ。もう誰が相手だろうとOKなら。僕は30過ぎで童貞だから魔法だって使えますよ。では、」
「ンギャーーーーーーーー!!」



「素人」「紅茶」「最強」

184 :名無し物書き@推敲中?:04/03/16 02:07
http://that.2ch.net/test/read.cgi/gline/1078259046/
おまえら創作文芸板一同に告ぐ

上記のスレは挑戦状である
我こそは最強の文章職人と自負する者よ、受けてたつがよい
もっとも、ド素人のお前等にまともな文章が書ける筈など無いがな!
俺はキーモン紅茶で憩いながら眺めているから精々がんばるがよいw

「吝か」「吝嗇」「吝い」

185 :名無し物書き@推敲中?:04/03/16 02:47
まあ、どこの世界にもケチな奴ってのはいるもんだが、
これは別に金目のものに限ったことじゃない。
心が貧しいやつや気持ちのせまい奴、取るに足りない奴もケチと言うわけだ。
ちょうどひとつ上のレスみてえな奴だ。「やぶさか」だの「りんしょく」だの「しわい」だのって、
全部意味が同じじゃねえか。ケチ(吝)ってことだろ?
そんなケチだケチだケチだって同じ意味の言葉を短い中で使えってもねえ。
お題に気の利いた即興文を当てることに吝かでない文章職人さんたちも、
お題がこんな吝いもんじゃあ可哀想ってもんだ。
難しけりゃいいってもんじゃねえだろ。少しはお前も考えな。
吝嗇家ってのは、普段使わねえ言葉を無理に使おう使わせようとする
お前みてえな奴の為にある言葉だよ。チンケな野郎だ。


っつーわけで再開。
「素人」 「紅茶」 「最強」

186 :「素人」「紅茶」「最強」:04/03/16 04:38
 今ダウン板覗いたら祭り始まってたんですよ。
 nyの新種ウイルスが見つかったみたいで、その名も”キンタマ”ウイルス。
 なんていうか、作者のセンス抜群。アナウンサーがどう読むのか今から楽しみ。そのウ
イルスはデスクトップのSSや纏めたファイルをネット上に放流するって仕組み。
 早速の生贄がこれまた最強。メッセ使って女口説きまくってる。その会話も慣れたもの。
「○○にはそのままでいてほしいな。」なんてエセ優しさを振りまいてる。セリフがくさー
とか思うんだけど、言われた女がこれまたぐらっときてるわけ。なんつーか、お前らそん
な簡単でいいの? って感じ。
 恋愛の素人が、ネットで恋愛するなよと。ってよく見たら女の人は娘さんもいるみたい。
娘さんのパンツ穿くように勧められてんの。おいおい、子供持ちでメッセでラブ会話かい。
お前らパソコンロクなことに使ってね―な。
 それになんだよ、その自己紹介。やるならとことん最後まで。おいおいおい、なにをや
るんだ、何を。まぁ、nyやってる馬鹿なんて知ったこっちゃないけどね。
 さて、俺もこの紅茶飲んだら、メールの返事打たないと。相手? もち中学生。しかも
マジ可愛いの。写真はまだ見たことないけどな。まぁ俺も、やるならとことん最後までや
る? ってタイプ。お前らもウイルスには気をつけろよ。じゃあな。


っつーわけでそのままでよろ。
「素人」「紅茶」「最強」

187 :岸和田:04/03/16 20:40
「素人」「紅茶」「最強」
 身なりのよい、紅茶の似合いそうな婦人が人気のない通りを歩いている。右手には革のハンドバッグ。
「おおっと、動くんじゃねーよ。撃つぞ」
婦人の後頭部に銃を向ける男A。
「きゃ、た、たすけて。どうか命だけは」
「いいとも。そのハンドバッグをおれにくれたら助けてやる」
ハンドバッグが男Aの手にわたる。その直後
「おおっと!!そのハンドバッグ、おれに渡しな。さもないと撃つぞ」
男Aが銃をおろすまえに、男Bが男Aの後頭部に銃を向ける。
ハンドバッグが男Bの手にわたる。その直後
「ザンネェ〜ン!この素人強盗ども!ボクがいただきだ!それくれないと撃っちゃうぞ」
男Bが銃をおろすまえに、男Cが男Bの後頭部に銃を向ける。
ハンドバッグが男Cの手にわたる。その直後
「へへへ、俺がもら…」 「おおっとお、それは僕が…」 「ゴメン!おれっちがもらうぜ」
男Cの後頭部に男Dが銃を向け、男Dの後頭部に男Eが銃を向け、男Eの後頭部に男Fが銃を向ける。
ハンドバッグが男C→男D→男E→男Fとわたっていく。
 「ねえ、いまのばかみたいなの、見たかい」
「見たとも、でもあんなの序の口さ。ここは世界最強レベルの無法地帯だからね」
それを見ていた青年ふたりの会話。


188 :岸和田:04/03/16 20:43
すいません、またお題忘れました
「猿」「宇宙船」「猫だまし」でおねがいします

189 :「素人」「紅茶」「最強」:04/03/16 20:46
――「さあ、行こう。僕が世界を救うんだ。」
   最強の勇者タケルは、草原を走った。
    これからが本当の戦いだ!――

「問題ないですか?」
 ある一室で、まだ少年の面影を見せる青年が、ソファーに座り持込の担当者と
対面して言葉を投げかけた。担当者は「う〜ん」と唸りを上げ、首を傾げる。内心は原
稿をテーブルに打ち付けて、「何が「問題ないですか?」だ。こんなのは問題外だ」
と小一時間ほど説教でもしてやろうかと思えるほど、青年の書いたそれは軽薄で
あったのだが、相手がずぶの素人とは言え、暴言でも吐こうものなら社会問題となる。
 担当は渋々「もう少し、練り上げてからここへ持ち込もうね。」と、青年を窘める。
青年は差し出されていた紅茶を啜り、担当者に一言呟いた。
「僕は一皮剥けれますか?」
担当者は、青年の不意の一言に、一瞬顎に手を遣り、頭を悩ませた。そして一言、
「君は猿に玉ねぎを与えた話を知ってるかい?」とだけ言葉を残してして、ソファー
を立ち、部屋を後にした。一人取り残された青年は、その真意が分からなないと
いった様子で、ただただ呆然として、再度紅茶を啜った……。


「夜」「明白」「狂信者」

190 :189:04/03/17 00:49
今、載り遅れていることに気が付いた…(笑。
すんません。次のお題は188氏の

「猿」「宇宙船」「猫だまし」

でお願いします。

191 :「猿」「宇宙船」「猫だまし」:04/03/17 02:56
 往復、火星、宇宙船、地球、汚染、植民団。
 旦那、整備士、同乗。
 妊娠、出産――家族。
 
 猿――赤子――赤ん坊。

 デフリ、デフリ、補修、船外作業、デフリ、老朽化。
 
 衝突、直撃、デフリ群。

 作業箇所、パネル、衝突、ケーブル、猫だまし。
 跳出、回転、命綱、螺旋、直撃、切断、救出、不可。
 放浪、星海、流浪、星雲、墓標――宇宙。

 葬儀、無気力、絶望。無遠慮、無理解、無邪気、喃語。
 笑顔、発声――ママ。

 希望。



「夜」「明白」「狂信者」

192 :191:04/03/17 03:12
デフリじゃなくデブリでした。お恥ずかしい。

193 :「夜」「明白」「狂信者」:04/03/17 07:41
 籠の毒物探知機が餌をついばんでいる。狂信者どもの根城には、サリンがあると専らの噂
だった。上層部は強制捜査の挙句、死人でも出たら責任問題になるのでは、と恐れたようだ
が、狂信者をこれ以上放置することは、それより恐ろしい事態に繋がるであろうことはもう、
誰の目にも明白だった。
 ――一九九五年、三月二十日。日本の安全神話が崩壊する、象徴的な出来事が起こった。
 証拠品として押収された車列の窓には、手垢が至るところに付いていた。そこから阿鼻叫
喚の地獄絵図を想像することは決して難しくない。
 今の御時世、義憤といえば陳腐な響きしかないが、しかし私の素直な心情だ。暗い夜を追
いやろうとするように、淡い朝日が富士の輪郭を浮かび上がらせている。上九一色はもうす
ぐそこだ。
 私はナチスドイツに備えるイギリス人のように、ガスマスクを入念にチェックした。

 アポロ十三号が地球に無事帰還したときの管制塔の気持ちが、今ならはっきりと分かる。
とはいえ、民族性の違いだろうか、皆、飛び跳ねてハイタッチを交わすようなことはないが、
仕事を終えた務め人たちの誇らしい笑顔が至る所にあった。日本に挑戦した狂信者の首領は、
日本の法によって裁かれる。


「カイト」「絹」「ヘッドホン」

194 :「カイト」「絹」「ヘッドホン」:04/03/18 02:32
もう二十分も窓の外を見ている。昨日見た風景と変わらない。
おととい見た風景とも変わらない。吐く息が窓ガラスに当たり、白く曇る。
昨日は窓ガラスは曇っただろうか?季節は移り変わっているということらしい。
ということは窓の外の風景もどこかしら変わっている筈だ。
俺は昨日と今日で何が変化したか見つけるために、再び窓外に目を向けた。
「……カイト。垣内っ!」
担任に見つかった。しかたなくそちらを向く。
「垣内!授業中に余所見とは余裕だな?おいっ聞いているのか!
垣内!こんなもの外せ!」
担任が俺のヘッドホンに手を掛ける。
「学校に何を持ってきてるんだ!」
「……耳当てっスよ。寒いでしょ?」
「この世のどこに音楽が聞こえる耳当てがあるんだ?完全暖房の室内で
なぜ耳当てをする必要がある?」
担任はどうしても俺をほっといてくれないらしい。
「しかも何だこの服装は!」
担任が俺の服を掴む。
「羽織袴は日本人男性の正装っスよ?制服破れちゃったんでしばらく
これで通いマスわ。触らないでくださいヨ、正絹っスよ?」
俺は担任の手を払いのけ、風景観賞に戻った。
なぜ周囲の人間は俺の生きたいように生きさせてくれないのだろう?

次は 「ときめき」「兄弟盃」「〜が行く」

195 :194:04/03/18 02:34
あー、最初の4行いらねえな。ま、いいや。

196 :ときめき 兄弟盃 〜が行く:04/03/18 09:22
 私は趣味で陶芸をやっている。有難いことに素人であるにもかかわらず、ファンが
いてくれるらしく、時折注文が舞い込む。
 たとえば、夫婦茶碗ならぬ兄弟盃を作ってくれという倶利伽羅紋々を背負った
おあにいさん。下回りを多数引き連れ、工房の床にどっかと腰を落ち着けて
土の練り込みから焼き上げまでを凝っと検分し続け、焼き上がった盃を札束一塊と
引き換えに持って行った。時季時季に挨拶状が来ていたが、業界も不況なのか、
最近とんとご無沙汰している。
 たとえば、結婚式の引き出物を求めた若い夫婦。『初めて恋をした時のときめきを
永遠に形にしてほしい』と厄介な注文だったが、ガラス分を多めに配合した釉薬で
七色にきらめく皿を焼き上げた。当人には大いに満足してもらえたが、皿は割れるもの
だと言うことを分かっているのだろうか。情熱の冷めた夫婦が行く末に何を見るのか
までは、私にも分からない。

 私は陶芸をやっている。ごく普通に、壷なんかを焼いてみたいと思っているのだが、
どうにもままならずにいる。

次のお題は「うみうし」「海苔」「名誉」で。

197 :名無し物書き@推敲中?:04/03/18 11:39
『うみうし・海苔・名誉』

「田村。こっち見てるぞ、うみうし」
同僚の山下がさり気無く口を覆った手の平の下から言う。
「え?」
「ばか、見んな。目が合ったらこっち来ちゃうじゃんか」
俺は慌ててうみうし≠アと小島係長の右上に掛るカレンダーへと視線を動かす
が、そのぎこち無さは自分でも情け無かった。
彼にうみうしという名が進呈されたのは去年の社内旅行で行ったサイパンでのこ
と。ビーチに寝そべる彼を見てうみうしと命名したのは山下だが、当のうみうし
はそんなことを知る由も無い。出世コースから外れたうみうしは社内での存在感
は皆無である。肩に手を置かれる感触。うみうしだ。
「君たちさぁ、夕べは楽しかったねぇ。また、行こうね」
振り返るとニタっと笑う彼の歯の隙間から、青海苔が俺を見下ろす。オゴるから、
の一言に釣られた自分のセコさに後悔の念が押し寄せる。
夕べの酒は本当にマズかった。
日中はひたすら影の薄いうみうしも酒が入ると途端に饒舌になり、武勇伝めいた
ことを話し出した。女のこと、営業のこと―――。社内で失墜してしまった自分
の名誉回復を目論んでいるのかどうかは分からないが、もしそうだとしたら悪
あがき以外の何物でも無い。

長すぎてすみません。
次は「遅刻」「10年前」「タイルばり」

198 :「遅刻」「10年前」「タイルばり」  ◆7iyNMigEXc :04/03/18 18:20
 待ち合わせには15分遅刻。それが私のポリシー。
 時計台の下。両手一杯の薔薇の花束を抱える男。通行人たちの視線を浴び、彼の顔は気
弱に歪んでいるだろう。
 その姿を思い浮かべるだけで、くふくふと笑いがこみ上げる。

 10年前。小学生だった私は誘拐された。タイルばりの浴室に監禁された一週間。犯人は
近所に住んでいたロリコン男。あの冷たい場所では、私はバーゲンセールの人形だった。
 助け出された私に取りすがり、母は泣いて泣いて、忘れなさいと繰り返した。父は買っ
たばかりの家とエリート街道を捨てて、私のためだけに全てをやり直しそうとした。
 やさしい両親。
 この二人のために、強くあろうと思う。

 時計台の下、薔薇の花が似合わない男が立っている。
 出会い系サイトで見つけた男。写メールで確認したとおり、あの変態と顔が似ている。
 ショック療法。あのロリ男に似た奴に抱かれるたびに、私は強くなる。
 きっと、きっと強くなる。
 あんな男のために、人生を壊されたりするものか。


次は「牛丼」「ブルース」「百花繚乱」でお願いします。


199 :岸和田:04/03/18 19:33
「牛丼」「ブルース」「百花繚乱」
 「牛丼食べてえよお……腹減ったよお……」
田中が情けない声で言う。俺はスゴクその声がむかついたので大声で言ってやった。
「うるせえよ!!ぐたぐた言ってんじゃねえよ!その声キメーんだよ!」
「何だと!こんなんになったの誰のせいだと思ってんだよ!レベル高い山へ行く、とか言っちゃってさあ!それで遭難してんじゃねえかよ!やべーじゃん!死んじゃうじゃんかよ!」
田中が一息で言い、ぜえはあ息を切らせた。
「…悪かったよ、おまえなんか誘うべきじゃなかったよな…でも、まあさ、こんなボロ小屋見つかってよかったじゃん」
「ちっとも良くねえよ…でも外で寝るよりマシだわな…夏ったって、めちゃここ寒いんだろ」
田中があきらめたように床にごろりと転がる。
「なあ、こーいうときってさ、つまらん雑談とかするといいんじゃなかった?」
田中が天井を見ながら小さい声で言う。俺は仕方なく答える。
「ふうん、じゃあやってみるかぁ?あのさ、自分と同じ名前の犯罪者の初公判とか、ニュースで見たらちょっとへこむよね」
「ってかさ、R&Bって何の略なの?ロック&ブルース?いや、ロバート&ブルース?」
「つうか百花繚乱ってどういう意味?辞書引いても載ってなかった気すんだけど」
俺らはいつまでも、いつまでも下らない雑談を続けた。そして命が尽きた。

200 :岸和田:04/03/18 19:35
ほんと何回もすいません!
お題忘れてました!「残像」「革命」「ボケ」でお願いします

201 :名無し物書き@推敲中?:04/03/18 22:37
 「突然だが、ちょっと火星まで行ってみてくれないか?」
「あ?」
真島の馬鹿がまた意味不明なことをのたまってやがる。この女は大体いつもこんなカンジだ。
「またボケ倒しかよ」
「今回は違うのですよ。革命的なアイディアがあるのです」
革命的? ヤバイ予感がプンプンするわ。
「最近某所で発見した、この不思議棒で…」
「待て、それは金属バットだ」
「ちっち、最後まで聞きなされ。この不思議棒には物を吹き飛ばす効果があり、これで思い切り打ち上げれば火星まで行けます」
「確かに、友人をバットで打って外国まで飛ばした奴はいるらしいが……だけどさあ、火星は――」
俺は飛んだ。真上にボーンと飛んだ。あのアマ、人が喋ってる途中だってのに振るなや……。
しかし、凄いスピードだ。雲が俺の目の前を残像のように、次々と通り過ぎてゆく。
当然っちゃ当然なのだが、段々スピードが落ちてきた。(色々抵抗する力が働くからね)やがて、上昇が止まった。
ほら、だから無理って言ったろ? 真島の馬鹿は、黙ってりゃ見れるルックスしてんのになぁ。
電波にも程があらぁ。ところで俺どうなるんだろ。どんどん落ちてゆくんですが。

「回想」「酸素」「雲海」

202 :初挑戦。なんだかなあ・・・・:04/03/19 02:25
「回想」「酸素」「雲海」

ボクは、あまり自分を不幸だとかは思ってなかったんだけれども。
どうも最近おかしいなあとは、思っていたんだよね。
大事なものや、大事な人を、ずっと守り抜く事はとても大変なわけで。
ボクにはどうやら、守り抜くための力が全然足りないと。
却って守られて、助けられてばっかりで。こうしてつらつらと回想してみると、
どうしてもダメな時の、本当にダメな時の。
これがまた絶妙なタイミングで、ボクは「あいつ」に救われる。
なんだよ。ボクはあいつの付属物かよ?ってなぐらいにさ。
悔しいけど。
あいつはボクなんかとは比べ物にならないぐらいに。
いろいろ見てきたんだろうな。
それがあいつにとって不幸なのかどうかは、誰にもわからないけど。
ボクにも。

疲れきったボクは今、あいつと同じ夜の雲海を眺めている。
手を伸ばせば星がつかめそうな、コンクリートの屋上で。
なんだろうなあ。
ボクはもっと強くなりたい。
ボクは自分が不幸な人間だとは思いたくない。
ボクのせいで、あの星と同じ存在になってしまった人たちの事を考えると、
胸が酸素不足になったように痛く。痛くて。苦しくて。
あいつにもそんな感情を抱えてた時代とかあったのかなとか。
隣の人間を見やって考える。
ボクは強くなれるだろうか。
大切な全てを守る・・・いや、たとえ守り抜く事ができなくとも。
ボクがあの星のひとつに還るまで。
大切な何かを、心の中から取りこぼさずにいられるだろうか。
あいつみたいに、強く、強く。

  ※次は「温泉」「夢」「別れ」でお願いします。

203 :名無し物書き@推敲中?:04/03/19 12:55
『温泉・夢・別れ』

「東京に着いたら終わり。あたしもう二度あんたと会う気無いから」
千佳子はそう言ったきり一言も話そうとはしない。真司はまるで助手席に石仏
を乗せている様な身持ちのまま、かれこれ1時間近くは走っているだろうか。
「温泉行こうよ」
言いだしたのは千佳子の方だったが、久々の旅行を楽しみにしていたのは真司
も同じだった。
(何でこんなことになっちゃったんだろ)
真司は楽しかった行きの車内での千佳子を思い出していた。ポテトチップを口
まで運んでくれた千佳子、次に掛けるCDを選ぶ千佳子、流れる風景にいちいち
感想を述べる千佳子―――。
寝言
(そんなのが原因で別れるなんて―――嘘だろ、おい)
寝言で別の女の名前を言ってしまう、そんなことはドラマか何かの中だけのことで
まさか自分にも起り得るなどとは思ったことも無かった。頭に負荷が掛るほど思い
出そうとしてはみたが、夕べ夢の中に他の女が出て来たなどという記憶は無い。
ただ問題なのは、浮気をしたことが無いわけでは無いという事実だった。

次は「ストロー」「代表」「崖」

204 :名無し物書き@推敲中?:04/03/19 13:33
大塚!!!!
おおつか!!!

205 :「ストロー」「代表」「崖」 :04/03/19 17:52
寂れた町の薄汚れたスーパーマーケットにも拘らず、品揃えは豊富だった。
亜希子がいつも持ち歩いていたあるメーカーの特大ストローを取り上げると正木は唇を皮肉に歪ませた。
宗教法人日輪会代表の私を恐喝するとはあいつも馬鹿な女だったな。
手切れ金の五百万如きははした金に過ぎなかったが、妻に知られるのはまずかった。
岩肌にごつごつと当たって物凄い音がした。正木は気を失った亜希子を崖から放り投げた時の
不思議な快感を思い出し背筋を震わせた。さすがに殺人が癖になってはまずい。
「お客さん、それ買うんっすか?」ヤンキーのような茶髪の店員が特大ストローを握り締めていた正木に声をかけてきた。
「ああ、すまない。これをくれ」ストローを差し出した正木は内ポケットに入れておいた筈の財布が無くなっている事に気がついた。
まさか、崖に忘れたのでは……。青くなった正木を店員が疑わしそうな目で見ていた。
「まさか、お金ないんっすか? さっきから何時間も日用品コーナーでうろうろしてたし、なんか怪しいな」
「何だと、お前!怪しいとは誰に向かって口を利いているのかわかっているのか!」
思わず正木は店員の胸倉を掴んだ。「何すんだよ、じじい! おい! 誰か警備員呼んでくれ!」
正木は普段とは違う自分の行動に驚いたが、まるで血が沸騰したかのように抑えが利かなかった。
三人の警備員に身体を拘束され、集まった見物客に蔑んだ目で見られて更に怒りがこみ上げた。
「放せお前ら!俺は日輪会の正木だ!」店内に警官が来るまで正木は叫び続けた。

次は「銀河」「鉄道」「車掌」でお願いします。

206 :読者目線感想人:04/03/20 01:53
今回もやや短め。できるだけ要所を指摘することを心がけつつ。
辛口・長文を好まない方はNGワードに「読者目線感想人」を追加してください。
誤字脱字は校正が利くので基本的にスルー。16期最後まで行ったところで良作選をやろう
と思います。では、感想スタート。


>>194 名前でお題を使うのは感心しない。最初の4行、確かに不要。窓硝子の変化よりも
気温の変化で季節を感じるだろう。羽織袴ならなおさら。まとめ。言いたいことはわかる
がストレートすぎる。迂遠であれというのではなく、主張を読者にアピールするためには
様々な工夫が必要、ということ。あと、段落をつけることを心がけるといい。読者をもっ
と意識しよう。

>>196 エッセイ風。頭と最後に同じセンテンスを使う手法でまとめている。ほぼ文章に
破綻もなく、スっと頭に入ってくる。リズムもよい。気になったところでは”情熱の冷め
た夫婦〜(略)”がやや浮いていて、ラストの”ごく普通に”→”壷を”も乱暴に感じる。
おあにいさんを表す良い漢字があった筈なんだが、思い出せない筆者である。情けない。
注文の内容がやや薄味。そのせいで、なんとなく始まりなんとなく終わっている。
次は頑張ってほしい。

>>197 場所が曖昧。”俺”が座っていることも示すべき。内容が薄い。同じネタでまだ
まだ膨らむし、アプローチの方向自体も色々ある。読者をもっと意識しよう。

>>198 ”私”は男女共に(またそれ以外も)使う一人称。意地悪な見方をすれば、最後
まで性別が不明。語り手の場所もやや曖昧。”私はバーゲンセールの”意味がよく掴めな
かった。前もしくは後に理解を助ける文章が必要。まとめ。序破急をきっちり押さえてい
るところと、主人公が前向きなところが良い。問題点としては、まだまだ読者に優しくで
きるのと、15行でやるには行数が足りないネタであることだろう。次は頑張ってほしい。

207 :読者目線感想人:04/03/20 01:55
>>199 もう一歩踏み込まなければ。色々な膨らませ方がある筈。
読者をもっと意識しよう。

>>201 マンガチックな、という不穏な表現をあえてしてみる。作者が楽しむことは大事
だが、それだけではダメ。読者をもっと意識しよう。

>>202 まず、段落をつけよう。”ボク”と”あいつ”の関係性にしても、27行だらだら
と書き連ねているだけで工夫がない。読者にどこをどう面白いと思って欲しいのか、狙い
をきっちりたてて書こう。

>>203 場面をイメージしやすい。読者を引き込む工夫もしている。できればあと少しだ
け年齢層など、登場人物の情報が欲しく思うが、必要最小限の説明はクリアしているので
OKだろう。たぶん、この後に人物像を含む文章が続いていくのかな。16行では足り
ないネタをもってきたのが間違いのもと。あと、段落をつけること。

>>206 段落をつけよう。2行目が特に悪文。”亜希子”が”正木”のストローを取り上げたよ
うにも見える。1行目〜2行目、4行目〜5行目、センテンスとセンテンスの繋がりが悪い。
2行目と5行目は抜本的に書き直す必要がある。一文中以外のセリフは改行しよう。説明を
入れようという意識は感じるので、次は全体のスムーズな流れに気を使ってみてほしい。


ここまで。続きはまた。

208 :名無し物書き@推敲中?:04/03/20 01:56
リンクが辿りやすくて素敵だが、誤爆だな。

209 :読者目線感想人:04/03/20 02:00
げげ。失礼しました。マルチになるので向こうに投稿するのはやめときます。
スレ汚し申し訳ないです。


210 :岸和田:04/03/20 11:38
「銀河」「鉄道」「車掌」
 僕が押し入れを整理していると、古い一冊の本があった。タイトルは「卒業文集」。
―小学校のとき、書いたものだった。なにも考えないで、遊んでいるだけでよかった頃。
思い出にひたりながら、そっとページをめくる。古いインクの匂いが広がる。あれから十年、か。
―これは田中が書いた文だな。あいつ、どんな文を書いたんだ…
 「十年後・将来の夢」         6年2組 田中畳太郎
おれの十年後、将来の夢は、銀河、いや、宇宙を支配することだ。大統領になってやる。
この紛争や不正が満ち溢れた世界を統べる。民衆には自由を、悪人には死を、宇宙全土に平和を。
そして全世界の鉄道を爆破する。そして世界じゅうの車掌もみな殺しにする。
おれは車掌とか鉄道にちょっとした恨みがある。でも、それからはみんな平和さ。
 …まったくめちゃくちゃな文を書いてるな。まあウケねらいだろうけど。
 僕は文集を閉じ、テレビをつけた。すると、蒼白な顔をしたニュースキャスターが映った。
「…臨時ニュースです。世界じゅうの鉄道がすべて爆破され、定年となった車掌もふくむおおぜいの車掌が殺されたようです。
ええと、このニュースは田中畳太郎と名乗る男からのビデオ・テープにありました。
ほかに、田中畳太郎氏は核ミサイルのスイッチをつくりあげた、とも言っています。
彼の要求は、宇宙に関する研究をしているところ全ての権利と、世界最高地位就任、との…」
 僕はテレビを消した。あいつ、本当に叶えやがった。
 
 「バリケード」「反対」「パンク」


211 :「バリケード」「反対」「パンク」:04/03/20 15:05
 迫りくるストロベリーオンザショートケーキ症候群には、もはやバリケード
を設置するしかなかった。既に私の足がコージー・コーナーへと向かっている
ことを考えれば、それなりのバリケードでないとこの病気は防げないだろう。
「ふざけるんじゃねえぜ」と彼氏が喚いた。「お前まだ食うのか?さっきシュ
ークリーム19個食べたばかりだろうが。ぶくぶく太りやがって。自分の太腿見
てみろ。滝川ハムにでも出荷するつもりか?パンク寸前じゃないか。いい加減
にしてくれ」
 私は店に入りながら言った、「しょうがないのよ。私はイチゴが乗っかって
る甘いショートケーキが食べたくなるの。食後に」
 食後、と彼氏は呟き首を横に振って、私の追跡をあきらめた。彼ではバリケ
ードにはならないのだ。
「いらっしゃいませ」と店員の女の子がにっこりと挨拶した。

 私は店員が15個のショートケーキを包んであるのを眺めていた。赤い文字で
『コージー・コーナー』と白い箱に書かれている。赤色がイチゴで、白がクリ
ームを連想させる。
 ああ、赤じゃなくて緑なら青汁症候群になってただろうに。私は悪くない。
悪いのはこの店だ。過剰包装反対っ☆

212 :名無し物書き@推敲中?:04/03/20 20:57
『バリケード・反対・パンク』
※最初に謝ります。長過ぎた。

俺は明日のNNP(ネットニュースペーパー)の見出しのことを考えながら車の
高度を下げた。与党の自社ビルを囲むバリケード周辺では動けなくなって乗り捨て
られた車の列が道を占拠している。地上に何をバラ撒かれたのかは分からないが
どれもパンクさせられているのは明らかだ。俺は着陸する場所を慎重に見極めてから
反重力エンジンを着陸モードに切り替えた。
俺は大手に勤める新聞記者。無論大昔の様に紙に印刷する時代じゃないが、記者に
求められるのがセンス≠ニフットワーク≠ナあることに変わりはない。まぁ今日
いち早く現場に駆けつけられたのは夕べたまたまこの近くに住む女のアパートに居た
お陰であり、運が良かっただけだと今回は謙虚に受け止めることにした。
俺は肩にセットしたカメラを起動し、アームを伸ばして前に持ってきた。
(テロ――いや、クーデターってことになるのか)
日本も今や二大政党の時代で、どちらの政党が政権を握るかは挙次第。現在の首相
は昔ジーンズが似合うとかで表彰された元俳優だ。当初はそのカリスマ性に物を言わ
せて世論のハートをがっちり掴んでいたが、余りの専横ぶりに途中から党内の反対派
が多数離党して敵対政党に流れ始めた。いまでは世論も真っ二つ、見ての通り警官隊
も真っ二つだ。
(あっちは多分、長老のハラ元首相を擁立して来るんだろうな。それにしても穏健派
のあの人にしては大胆なことしたモンだ――)
その時、俺の頭の中には彼が昔言った「夢には続きが――」という言葉が浮かんだ。
(これだな、明日の見出しは)
俺は取り合えずポケットからビタミンバーを取り出すと大きくひとかじりした。

次は「亜熱帯」「集団」「優越感」


213 :名無し物書き@推敲中?:04/03/21 18:09
 暑い。日本は亜熱帯気候の国になったのか? と思っちゃうくらいだ。厳密に言えば、ここは特殊環境なのだが。
今、部屋の中にむさい男どもが集団で固まっているのも、この暑さの要因の一つだろう。
こりゃあ、古い言葉だけど、3K≠セな。「きつい、きたない、きびしい」あれ、一つ違う?
まあ、どうでもいいやそんなこと。それより来たよ、天井が開いた。男どもがだらけを捨て去り身構える。
しばしの沈黙が生じる。部屋の空気が張り詰める。顔を流れ落ちる汗も何のその、皆ただじっと穴の開いた天井を睨む。
落ちてきた。何が? アイスが――瞬間、男どもは獣になった!
全員が全員思い切り跳ね上がり、一本のアイスキャンデーを掴み取ろうとする。
全員が取っ組み合いのバトルロイヤル。幾人と倒れ、いつの間にか残ったのは俺とあと一人となった。
5メートル程の間、俺は飛び込む。瞬発力は人一倍あると自覚している。
あっという間に内に入り込み、拳を固め、相手に金的を打ち込む。もんどりうって蹲る相手。
俺は落っこちたキャンデーを拾い、包装を破り舐める。この優越感よ。

 今回の実験は、俺の大学教授が企画したもので、俺はその生徒。部屋の連中もそうだ。
「よお、どうだね」「ああ、教授どーも。外は天国すね」「一番最初に部屋を出るのは君だと思っていたよ。どうかね? 参加してみて」
「結論から言うと、人間は闘う生き物だと強く感じました」「そうだね、日本人を闘う集団に変えるため、これからも…」
研究は、まだまだ続く――。

「ロマン」「サンバイザー」「唐揚げ」

214 :読者目線感想人:04/03/22 07:48
お詫びと訂正を。セリフは改行と指摘していましたが、それに限らないようです。
慌てて書棚の奥の本を調べてみましたが、なるほど、よくよく見れば確かに改行していな
いものもありますね。思い込みでした、すいません。汗顔の至りとはまさにこのこと。
筆者も毎回、勉強させていただいています。

明確なルールはないと思いますが、おそらく、やや短めのセリフが入る場合は改行がなく
ともセーフのようです。
「だけども、やはりこのように長いセリフが入る場合、改行するほうが望ましい、という
感じですね」
いや、頓珍漢な指摘で失礼しました。
「それでも、やはり筆者はこう思うのです」セリフがこう続くとなんだか気持ち悪いんで
すよねえ。いや、人によりけりだと思いますが。
「こうだとまだましかなあ」と思えるんですけども。
「でも、小松左京氏とかも普通にセリフをこう続けていらっしゃいます」だから筆者の感
覚がおかしいのでしょう。というわけで、今後セリフの改行については長いセリフが続く
場合以外は指摘しないことにしますね。

作者の皆さんを混乱させてしまって、本当にすいませんでした。

215 :読者目線感想人:04/03/22 07:49
いかん、また誤爆だ。失礼。

216 :むし ◆64MusiXlOs :04/03/22 16:09
「ロマン」「サンバイザー」「唐揚げ」

 「俺さぁ、考古学者になりたいんだよね」
浩二の突然の告白に私は玉子焼きを取り落としそうになった。
普段から自らを現実主義者だと豪語し、実際、ロマンのかけらもないこの男から
ロマンがなければとてもできないような職業が出てくるのは信じられないことだったのだ。
 「何アンタ……頭でも打ったの?たしか公務員になりたいんじゃなかったっけ」
 「ちげぇよ!俺はほんとになりたいの!」
そう言って、浩二が立ち上がった。
そのとき勢いがよすぎたのか、私が作ったとっておきの唐揚げがシートの上にぶちまけられた。
しかし今は怒りよりも好奇心のほうが上回っている。
 「で、なんでなりたいわけ?」
 「発掘作業ってゆーの?ああいう細かい作業好きだから」
なるほど、と納得した私ははずしていたサンバイザーをつけ、スニーカーをはき、
ピクニックという戦線から離脱した。後ろから浩二が何か言っていたようだったが、黙殺する。
家に帰ってから私は大事なことに気が付いた。唐揚げの文句を言い忘れたのだ。
ああ、だめだなこりゃ。

次のお題「ダンボール」「貯金箱」「位牌」

217 :「ダンボール」「貯金箱」「位牌」:04/03/22 20:10
 小学校低学年の頃だったろうか。夏草の匂い立つ原っぱの真中に、僕たちは基地を作った。
近所の工場からダンボールを失敬してきて、ガムテープで繋いだだけの簡単なものだが、仲間
内で秘密を共有することに子供心が踊ったのは、今になっても新鮮な思い出だ。
 基地は、立派にひとつのコミュニティーになっていた。僕を含め、集まってきた子供たちは、
野良猫にミルクをあげたり、蛇苺やどくだみを磨り潰して毒々しい色の液体を調合したり、ネ
ジやら翡翠の小石やらのがらくたが詰まった貯金箱を保存したり、祭りで掬ってきた金魚のな
きがらを生めて、そこに位牌を立てたりした。悪意からではないが口煩い大人たちの目を盗み、
大人の真似事をするのに皆、夢中になった。
 基地は、増築に増築が重ねられ、数夜にして高架橋下のホームレスたちのそれに見劣りしな
いだけの建築物になったが、やがて台風が通り過ぎると、見るも無残なゴミ捨場のようになっ
た。ちょうどその頃、悪戯が大人たちに見つかって、嫌々後片付けをすることになった。
 今、妻と子を連れてその場所に立っている。一面、雨を受けたように新鮮なアスファルトが
敷かれ、見渡す限り車が停まっている。原っぱは今や、大規模量販店と、その駐車場となった。
「パパ! なにぼーっとしてるのよ!」妻が鬼のような形相で叫んでいる。
 今日は開店セールだ。原っぱで遊んだ一人の少年は今、家計に悩む家庭の父親になった。


「明日」「缶コーヒー」「お買い得」

218 :「明日」「缶コーヒー」「お買い得」:04/03/22 21:35
「お買い得だな……」
まだベットから出て何分も経っていない俺の頭は、冷蔵庫に入れていた缶コーヒーを飲み干す
まで使い物にならなかった。
「お買い得だな……」
頭とPCを覚醒させ一番のお気に入りのサイトを覗き込んだ時と同じ台詞が部屋に響く。
モニターには大小さまざまなクラッカーやケーキ用の小麦粉や三角帽子や部屋の飾りつけと言った
パーティー用品が何時もと比べ物にならないほど安い値段で表示されている。特別セールは明日までらしい。
と言っても、夜型の俺にとって明日はもう十数分で来てしまう。迷っている暇は無い。俺はメールで
商品番号が6番と13番、それに40番のクラッカーと小麦粉と蝋燭を注文することにした。
「6番のクラッカー(AK-47突撃小銃)を120丁。13番のクラッカー(ノリコンS86後装突撃銃)を50丁。
40番のクラッカー(トカレフTT自動拳銃)は200丁で良かったよな。小麦粉(C4プラスティック爆薬)は
150kgで蝋燭(電気信管)は300個っと。それじゃあ、そ〜しん。」
頼まれていたパーティー(戦争)用品を注文し終えた俺は窓を開けて地上2階の至って普通の景色を
眺めた。これも見納めだと思うと少し寂しい気もする。
「それにしても……お買い得だったなぁ」

「軽口」「場所」「大変」

219 :「軽口」「場所」「大変」  ◆7iyNMigEXc :04/03/23 01:12

 黄昏時。妻が亡くなったアスファルトの歩道に、圭介は百合の花束を置いた。

「約束の場所へ!」
 新興宗教の教祖は大声で叫ぶと、ビルの屋上から飛び降りた。どんと鈍い音がして、夜
の歩道に、男と女と血で染まったホールケーキがつぶれていた。女は圭介の妻だった。
 銀座心中。教祖と弁護士夫人の許されぬ恋。W不倫の悲劇。
 圭介が弁護士だったことも災いし、大変な騒ぎとなった。マスコミはこぞって推測とい
う名の妄想を垂れ流した。職場の弁護士事務所でこそ下世話な軽口は聞かれなかったが、
近所の主婦や、一生会わない赤の他人が、事件のことをおもしろおかしく噂した。
 二日後、正式な発表がなされた。事故だった。
 買い物帰りの彼女の上に、教祖が落ちてきたのだ。衝突による死。死の瞬間まで、彼女
と教祖は一面識もなかったのだ。ホールケーキは圭介のためのバースディケーキだった。

 圭介は歩道にしゃがみこみ、妻の血がばら撒かれたアスファルトに触れた。既に清掃人
の手が入り、なんの痕跡も残されていなかったけれど。ここで妻は死んだ。
 泣き出しそうな気持ちを抑え、圭介はやっと立ち上がると自宅へと歩き出した。
 亡き妻へ捧げた花束は、酔っ払いに拾われて、クラブのホステスへと贈られた。


 次のお題は「女王」「龍」「ゆで卵」でお願いします。

220 :「女王」「龍」「ゆで卵」:04/03/23 05:45
「将軍、ついに発見いたしましたな」
 龍の棲家と噂される火山脈の麓、もうもうとした噴煙とぼこぼこと泉の湯だつ音がたち
込める崖下に大きな乳白色の殻が見える。
「女王が見た夢のお告げは本当であったか」
 後方には調査隊の兵士一万。疲労の度合いが、道中の過酷さを物語っていた。
「それにしても巨大ですな。陛下の居城まで運ぶのは到底不可能かと」
「確かに、その通りだな。兵士も疲弊しておる、さてどうしたものか――」
 将軍と呼ばれた男は、眼前の光景にしばし思考をめぐらせた。

 贅を凝らした謁見の間。豪勢な椅子に腰掛けた女性。平伏した男。
「女王陛下、調査隊、只今帰還いたしました」
「うむ、して結果は如何であったか」
「龍の卵は、それはそれは美味しいゆで卵でございました。報告は以上です」
「ご苦労であった――」



「葬儀」「笑い」「碇」

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